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yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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ユッカリーナのヨガ的雑記帳


2014/09/29 09:15 yuccalina

苦悩に値した女性の記録「白バラの祈り~ゾフィー・ショル、最後の日々」

この映画は1ヵ月以上前に録画してあったのですが、丁度ヴィクトール・E・フランクルの「夜と霧」を読んでいたところだったので(記事はコチラ)、読了するまで見るのを我慢していました。ゾフィー・ショルは第二次世界大戦の末期に、ナチスドイツへの抵抗運動組織「白バラ」の一員として断頭台に消えたドイツ女性です。

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ゾフィーと兄ハンス、仲間のクリストフの3人は、大学構内でナチス批判と降伏を呼びかけるビラをまき、逮捕されます。それが1943年2月18日で、その後取調、裁判から即日処刑となったのが22日ですから、たった5日間の出来事を濃密に描いています。見ていて息が詰まる思いですが、ナチス側の人間、モーア取調官がゾフィーとの会話を通じて、心の変化を見せるところなどもじわじわと心に染み入ってくるようでした。彼女を何とか助けたいと、いつの間にか思うようになっていたモーアは、過ちを認めて減刑に持っていこうとすすめるのですが、ゾフィーは自分のしたことに誇りを持っていて、「間違った世界観を持っているのはあなたよ」と言い放つのです。

被告3名の裁判には、名ばかりの弁護士が付いただけで、見方は1人もいない中で行われます。裁判長はかなりイカレた人間だった様ですが、ゾフィーの発言に一瞬やり込められたような、バツの悪い表情を見せたりしました。ドイツは優れた支配民族なのだと言う裁判長に対し、ゾフィーは、

支配民族とは平和と人間の尊厳を望むもの
神と良心と愛も、、、


この言葉には、傍聴席もしゅんと静まり返りました。映画の冒頭で「90年代に新たに出てきた証言と資料を元に作られている」と出ていましたが、あの裁判の傍聴していた人の証言があったのかもしれませんね。

結審後、即日に死刑執行を言い渡され、ゾフィーが一人嗚咽するシーンは胸が締め付けられる思いでしたが、彼女は最後まで堂々と、フランクルにして(というかドフトエフスキーにしてか?)苦悩に値する人間として、断頭台へと向かったのでした。ここで、フランクルの言葉を繰り返しますが、

生きることを意味あるものにする可能性は、自分のありようががんじがらめに制限されるなかでどのような覚悟をするかという、まさにその一点にかかっていた。

モーア取調官の差し伸べる手を取ることもできたのでしょうが、彼女は自分の信念を曲げて助かるのを良しとしませんでした。彼女の両親も「娘と息子を誇りに思う」と言いました。ゾフィーの最後の選択は、彼女の生を意味のあるものにしたのだと思います。

さて、最後に少し映画から離れてお話をします。ヒトラーの唱えた「ドイツ人最強説」の元になってるアーリア人って、元々イランやインドが起源な訳で、「金髪と碧眼」は別にアーリア人とは関係ないですよね。そう言えば、昔ロマの事をブリタニカで調べていたら「アーリア人」の文字が出てきて、ビックラこいたことがありました。同じアーリア系である筈のロマも強制収容してたって、理論的にメチャクチャじゃーん?きっとドイツ人に都合の良いとこだけ切り取った学説だったんでしょうね。って、ちゃんと詳しく勉強してないけどさ。

まあ、ヨガ的発想をすればドイツ人だって様々な要素で成り立ってる訳です。文化的にはユダヤ人が育んできたものも沢山混じっていた筈です。色んな繋がりを無視して「オイラだけ優れてるんだもんね~」と言うのは余りに馬鹿馬鹿しい発想だなと思いますね。そんな歪んだ世界観を多くの人々が正しいと思い込んでいた、そこがまた恐ろしいとこなんだなと思いました。


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お久しぶりです。プロフィールのお写真かわりました? 夜と霧、当り前に読まれているけど実際に起こった事で、よんだら、誰もが世の中の出来事に疑問をもって・・・生き残る事の出来る人ってもしかしたら、今の世で生きて行ける人なのかも?って思ってしまいます。(それほど今の世も理不尽)
「白バラの祈り」興味を持ちました。実際にあった話し?ですよね。私も選民意識が全てをおかしくしている様に思えます。例えば、どんな小さなせかいでも、自分が特別なエリートだと思っていたり。法律で守られているからって、弱い者を叩いたり。何か自分が特別なんだと思いたいのでしょうね。人って・・・皆何も変わらなくて、たいした差もないのが現実なのに。
素敵な世界はいつくるのでしょう? 

こんど観てみますね「白バラの祈り」!
素敵なご紹介有難うございました。
では、では、また。
YOUさんへ

> お久しぶりです。プロフィールのお写真かわりました?


そうなんです、昨日、最新のものに変更したばかりです。

> 夜と霧、当り前に読まれているけど実際に起こった事で、よんだら、誰もが世の中の出来事に疑問をもって・・・生き残る事の出来る人ってもしかしたら、今の世で生きて行ける人なのかも?って思ってしまいます。(それほど今の世も理不尽)
作り話以上に残酷です。人間にはそういう要素があるってことなんでしょうが、そう言う過酷な中でも良心に従って生きた人々が、一筋の光なんだと思います。


> 「白バラの祈り」興味を持ちました。実際にあった話し?ですよね。私も選民意識が全てをおかしくしている様に思えます。例えば、どんな小さなせかいでも、自分が特別なエリートだと思っていたり。法律で守られているからって、弱い者を叩いたり。何か自分が特別なんだと思いたいのでしょうね。人って・・・皆何も変わらなくて、たいした差もないのが現実なのに。


90年代に出てきた資料と証言を元に作られたそうなので、事実に近いというか当時関わった人々の記憶によるところが大きいと言えますね。

> こんど観てみますね「白バラの祈り」!
> 素敵なご紹介有難うございました。


殆ど密室劇でナチスの収容所も戦場や兵士も出てこないのに、戦争の恐ろしさ悲惨さを強く感じる映画でした。


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