プロフィール

yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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ユッカリーナのヨガ的雑記帳


2014/08/11 10:51 yuccalina

「ココ・アヴァン・シャネル」~ファッションの価値観を変えた女性の原点

先日の「グラントリノ」に続き、CS放送で見た映画「ココ・アヴァン・シャネル」のお話です。バレエリュス展(記事はコチラ)ではシャネルが衣装デザインした「青列車」を見たり、「デュフィ展」(記事はコチラ)では、脱コルセットの着物風なルーズドレスを作ったポール・ポワレの作品見たりした後だったので、とても良いタイミングでした。但し、この映画にはバレエリュスの話も、ポール・ポワレも出てきません。ハッキリ言ってシャネルの伝記映画と呼ぶには、内容が偏りすぎとゆーか、情報不足な気がします。予備知識無しで見たら、金持の屋敷に居候してゴロゴロしてた頃の色恋話に見られかねないかなと、ちょっと心配。実は彼女のファッションの革新性や、女性としての生き方に芽生えて、自己を確立した頃の話でもあると思うんです。そう言う意味では、見所が沢山ありました。


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幼い頃に母親が他界し、父親に捨てられる形で孤児院で育った生い立ちがプロローグ。お針子をしながら酒場で歌手をしていた下積み時代に、貴族のバルザンと知り合い、屋敷に転がり込んで居候してる時代がメインのお話です。そして服飾デザイナーとして成功するエピローグは、駆け足のような映像のみとなっています。

で、毎日取巻き立ちと遊ぶ生活をし、「働くなんて最低だ」という貴族のバルザンを尻目に、シャネルには働きたい意欲がムクムクと芽生えます。バルザンのお屋敷の書棚にあった多くの書物を読んで、見識を広げたからでもあるのでしょうが、根底には何か作りだしたい、創作意欲があったのかもしれません。そして、女性の人権にも目覚めます。男はこうで女は、、、というつまらないルールに縛られた当時のファッションを否定し、掟破りをすることから始めるのです。

例えば、当時の女性にパンツスタイルは無く、馬に乗るには長いスカートで横座りしていましたが、彼女はバルザンの服を自分用の乗馬服に仕立て直しました。当時はまだ「男装してる」として、女性が着る服ではなかったのです。

また、上流階級の女性たちのゴテゴテと装飾過多な服装を見て、シャネルは「まるで銀食器みたい」とか「頭にメレンゲを乗せてる」と揶揄します。ゴチャゴチャと装飾過多を忌み嫌うのは、孤児院や修道院で質素に育ったからのようで、女優の知人に修道院で着ていたような清楚なワンピースを作ったり、自身も紳士服を仕立て直してシンプルなシャツワンピースを作ったりするのです。

バルザン邸で出会ったイギリス人の青年実業家カペルと恋に落ちたシャネル。一時は結婚を夢見て破れる展開もありましたが、そんな恋物語の中でも、コルセット無しの黒のドレスでカペルとダンスを踊り、黒を「究極の色」と表現するシャネルの姿がちゃんと描かれていました。喪服の色だった黒をおしゃれ服の定番にしたのも彼女でした。また、カペルの持っていたポロシャツの素材、ジャージーに興味を持つシーンもありました。ジャージー素材を初めて婦人服に使用したのもシャネル。

等々、その後のシャネルがファッション界で広めたアイテムに纏わる場面が、そこかしこに散りばめられてたのです。

カペルは、シャネルの愛人でパトロンになるのですが、彼は金銭面のバックアップだけでなく、精神的な支えでもあったようです。コルセット無しのドレス、羽のない帽子、ヒールのない靴等、シンプルで活動的な服装は、女性の自由を象徴する価値観でしたが、平民の母を持つカペルはそれを理解し、シャネルの仕事を後押ししたのでした。

シャネルの服がシンプルでシックで活動的なのは、正に彼女の生き方そのものでありました。それまで男に従うだけたった女たちが、ファッションにも自由を求め出した時代の空気が感じられる内容だったと思います。そして、何よりも、自分の美意識に絶対の自信を持っていたところがシャネルの凄さだったのではないでしょうか。シンプルで質素なのは、自身が孤児院や修道院で見てきたもの。それに対して劣等感を持つよりも、その中にある潔く気高い美を、自分の中で熟成させたような、そんな気がしたからです。

ところで、オドレイ・トトゥが演じるシャネルを見てたら、やっぱりイネス・ド・ラ・フレサンジュが専属モデルに選ばれた理由が、分かるような気がしました。ボーイッシュなルックス、媚びない雰囲気は、シャネル自身のイメージと重なるものがあります。ファイルに残っていたイネスの切り抜き(雑誌SPURのインタヴュー)に、こんな写真がありました。コレクションでシャネルスーツを着たイネスとか。

fashion111.jpg

前髪のウェイヴに20年代を感じさせるスタイルですね。

インタビュー当時38歳のお姿はこんな感じで、やはりココと同じくボーイッシュ。

fashion113.jpg

であながら、胸にバラを飾り自身がデザインしたゴールドのブレスを加えるとこが素敵です。

で、スーツ姿のイネスがシャネルの写真の前で、同じポーズとか。

fashion112.jpg

この後ろに見えるココ・ャネルの写真は、アンリ・カルティエ・ブレッソンの作品みたいです。所有してる写真集にありました。

fashion110.jpg

マドモワゼル・シャネル1965年とありますので、当時72歳くらい。太く描いた眉毛、手にはタバコと、いかにもな写真ですね。そう言えば、映画の中ではタバコを吸ってるシーンがホントに多かったです。

と言ったところで最後に、その他のシャネル関連の映像作品について。シャーリー・マクレーンが晩年のシャネルを演じた、テレビ映画があるみたいですね。

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でも、英語ってのが気になります。ココ・シャネルがフランス語を喋らんのってどーなのよ?それにシャーリー・マクレーンだと身体の線が太すぎるかな?とちょっとピンと来ないですが。

そして、シャネルとストラヴィンスキーの恋を描いた「シャネル&ストラヴィンスキー」ってのもあります。

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マッツ・ミケルセン、アナ・ムグラリス 他

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こちらはフランス語みないなんで、安心して見られそう?何より、最近ストラヴィンスキーに興味が沸いてるワタクシ、こっちなら当然バレエリュスの話も出てきそうですし、是非見てみたい作品です。CSでやってくれないかしら~!


お読み頂きありがとうございました。
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タグ: フランス 20年代

テーマ:ヨーロッパ映画 - ジャンル:映画

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Comment
yuccalina さん、こんばんは^^
私は、近年のブランドとしてのシャネルには全く興味をもったことがなかったんですが、ココ・シャネル自身の当時のファッションは素敵だったと思います。

オドレイ・トトゥが好きなので、この映画は気になっていましたが、いつだったか、確かネットの無料の動画配信で取り上げてくれて、観たことがありました。

ちょうど、女性の社会進出が始まる時代に、ココ・シャネル自身もそうした女性として生きたし、彼女が斬新な発想から考案した活動しやすい洋服は、今の時代を先取りしているものだったんですね。
yuccalinaさんこんにちはー
シャネルスーツくらいしか知りませんでしたがあのとても特徴があるシンプルなスーツは孤児院とか修道院とかにいた過去も関係してたんですね

着るものでほんと女性は気分が上がったりしますからねー 当時の装飾過多の服を来てた女性たちにはほんと目からうろこだったでしょうね

イネスさんのスーツ見てるお写真の前髪の巻具合が昔懐かしい感じですね、それにしても細くてうらやましい、、
Arianeさんへ

> 私は、近年のブランドとしてのシャネルには全く興味をもったことがなかったんですが、ココ・シャネル自身の当時のファッションは素敵だったと思います。

私もシャネルブランドとは全く無縁で、化粧品も香水も買ったことないんですが、人として、女性として、とても興味深いです。

> ちょうど、女性の社会進出が始まる時代に、ココ・シャネル自身もそうした女性として生きたし、彼女が斬新な発想から考案した活動しやすい洋服は、今の時代を先取りしているものだったんですね。

時代としても面白いです。ファッションのみならず、現在にも通じる価値観が生まれていたんですね。
ふぁる代さんへ

> 着るものでほんと女性は気分が上がったりしますからねー 当時の装飾過多の服を来てた女性たちにはほんと目からうろこだったでしょうね

シンプルな服を身につけるには、とても勇気が必要だったようで、羽飾りやお花が付いていない帽子をかぶった女性が「裸にさせられたみたい」と感想を言うシーンがありました。

> イネスさんのスーツ見てるお写真の前髪の巻具合が昔懐かしい感じですね、それにしても細くてうらやましい、、

髪型にも時代を感じますね。日本だとモダンガール風とでも言いましょうか。


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