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yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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ユッカリーナのヨガ的雑記帳


2014/08/02 09:30 yuccalina

「グラントリノ」~モン族の衣装と可愛いラブラドールと

クリント・イーストウッド監督・主演の「グラントリノ」をやっと見ることが出来ました。DVDをレンタルする習慣のない私は、映画館かテレビで見るかなのですが、最近「折角CSが見られるんだから、何か録画して見ようかな」と思いたちました。これまで、殆ど見てなかったんです。WOWOWは加入してませんが、「ムービープラス」と「ザ・シネマHD」という2つのチャンネルだけでも十分ですね。で、その第一弾が「グラントリノ」と言う訳です。期限を気にせず、好きなときに見られるのが良いです。好きなシーンを何度もリピートしたりもしましたよ。

元々ウエスタン映画俳優としてのイーストウッドには全く思い入れの無いワタクシ。そして、別にクラッシックカーにも興味ありませんが、かつて見た「ミリオン・ダラー・ベイビー」が素晴らしかったんで、ずっと見たいなと思ってたんです。



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余りに悲しい結末だった「ミリオン・ダラー」に比べると、ちょっと救われた気がするエンディングでした。朝鮮戦争で人を殺して勲章を得てしまった自分を許せず、心を閉ざした頑固な老人ウォルト(イーストウッド)が、隣家に住むモン族の姉弟スーとタオとの交流を通じて、変わっていく姿が丁寧に描かれています。そして、色んな問題が見えてくるお話でした。戦争体験による精神的な後遺症とか、移民の問題とか、親子の軋轢とか。

タオは本当は賢くて優しい良い子なのですが、自分に自信がなく、将来に迷っていました。父親を亡くし、母、姉、祖母と女性たちに囲まれて育った彼には、手本となる男性像がなかったのです。そんな時に、タオは不良の従兄とその仲間に絡まれているところを、ウォルトに助けられます。感謝の気持ちから贈り物を玄関に置いていく家族達。最初は迷惑がっていたウォルトも、徐々に心を開き始めました。従兄達に命令されて、ウォルトの愛車グラントリノを盗もうとしたタオは、償いとしてウォルトの家の修理を。ウォルトは道具の使い方から、男らしい喋り方、女の子の誘い方等、色んなことをタオに教えていきます。最初は一方的にウォルトに従っていただけタオも、だんだんと自分の意見を言えるようになりました。ウォルトは別れの時に「おまえは大人になった。自慢できる友人だ」と言うのでした。

ウォルトは最後に自分が盾になって、タオを守る形になりました。彼の葬儀のシーンでは、神父にも変化が見られます。かつては神学校で学んだ受け売りだけを並べて、ウォルトから「頭でっかちな27歳の童貞男(over-educated 27 years old virgin)」と呼ばれ、全然相手にされてなかった神父も、彼を通じて成長していました。神父はあのフレーズをそのまま使う自虐ネタも披露して、ウォルトの友人だった床屋のオヤジはニヤリ。「いかにもアイツが言いそうなことだ」って顔をして。ウォルト爺さんは毒舌だけど、根は良い人キャラだったんですね。スーが何度も言ってました。「ウォルト、あなたは良い人よ」と。で、神父の「私は彼から生と死が何かを教わったのです」という言葉が、とても印象的でした。

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その言葉に深く頷くタオの姿にもまた染々したのです。

また、葬儀でのシーンでは、ウォルトの息子が、ずらっと並ぶモン族の人々を横目でチラッと見てたところに、アメリカにおける人種カーストを感じました。ウォルトはポーランド系で、彼を取り巻く白人のお友達は、イタリア系とアイリッシュ。つまりWASPが住むような場所じゃない、という設定だったんでしょう。そこに入ってきたアジアやヒスパニックはその下に位置していて、低く見られてるみたいな感じでしょうかね。

ポーランド系と言っても、既に移民のコミュニティーで文化を受け継ぐことは無くなっているようで、孫娘は鼻とヘソにピアスをしてました。その一方でまだ移民一世か二世のモン族は、独自の生活習慣を残していて、姉弟は伝統衣装に身を包んでウォルトの葬儀に出席してる、と好対照に描かれていたような気がします。

そこで、このモン族の民族衣装ですが、見た時にやはり大陸文化は繋がってるなーと思いましたわ。コインをぶら下げてる民族衣装は、ロシアのバシキールあたりでも見られます。興味が沸いてきたので、YouTubeで探してみました。



ターバンみたいな形の帽子が可愛いですね。黒を基調としながらも、カラフルな色を加えるところに独自の美意識を感じました。

で、民族衣装ヲタク的話の次は犬好きに堪らなかったポイントを。ウォルトが飼っていたラブラドールリトリバーの老犬デイジー(♀)が、所々で良い仕事をしてた、とゆーか犬好きの私には、より胸がキューンとする要素になっていました。

ウォルトが決闘に向かう前のとこでは、入浴しながら煙草を吸うご主人様を見守るデイジー。

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タオのお婆さんに預けられるデイジー。

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ご主人様が去った後の姿。

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こ、これは泣けてきます。

ちなみに、ウォルトの葬儀に向かう姉弟達を見送る姿も。

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そして、ラスト。ウォルトの愛車、グラントリノを譲り受けたタオが、助手席にデイジーを乗せてドライブするシーン。

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そこに、テーマ曲が流れ、イーストウッドの皺枯れた声が良い味を出してました。

そう、音楽の使い方も凄く良いです。イーストウッドは「ピアノ・ブルース」という音楽ドキュメンタリーも撮ってて、元々ジャズやブルーズに造詣が深いんですよね。ホント、私がドハマリする要素に溢れた映画でした。


お読み頂きありがとうございました。
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タグ: 犬好き 東欧

テーマ:アメリカ映画 - ジャンル:映画

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Comment
わちにんこ?▽・w・▽

イーストウッド氏のつくる作品は、はずれがあまりなく、地味だけど良い映画が多いですね~
昔のダーティーハリーとか、ハードなものはあまり見たことはないのですが。
本格的に、彼が監督業に乗り出してきたあたりからの作品は、結構観てます。
「目撃」という、20年くらい前の作品が、地味wだけど好きです。

トモローくんは、ワンちゃん好きかなぁ?
家にも以前、レトリーバーがいたんです。10歳で病にたおれてしまったのですが、凄くヤンチャで、死の直前まで仔犬のように遊びたがる子でした。
現在の愛犬は小型のスパニエルの雑種です。

ユッカリーナ様、素敵な映画の紹介ありがとうございます♪
yuccalinaさんこんにちは

クリントイーストウッドは私もマディソン郡の橋と ミリオンダラー
ベイビーしか観たことありませんが マディソン郡、、は映画館で泣いちゃった思い出が、、うまい俳優さんですね ミリオンダラーの方も結構ラストがかわいそうでしたがいい作品でした

グラントリノもみてみたいですね おすすめのシーンはどこですか、、やはりせつなそうなワンコのお顔のシーンかな、、?
こんばんは。

これは(というかこれも)良い作品でしたね。

ミリオンダラーよりかは確かに救いはありますが、
今作もかなりショッキングな結末です。

クリントの監督作品を思い浮かべてみると、作品に対する趣味の好き嫌いはあるにしても、失敗作が無いというのはスゴイですね。

そういえばクリント本人は煙草は吸わないので、ダーティーハリーの時も、
かっこだけとか、煙草のような煙草じゃないものを吸っていたとかという
話でしたが、ホントのところはどうなんでしょうね?
アロエ様わちにんこ
昔、実家ではビーグル犬を飼ってました。おバカで愛嬌だけか取り柄の子でした。
イーストウッドの「目撃」、機会があったら見てみますね。
ふぁる代さんへ
マディソン郡の橋って、イーストウッドでしたか。結構ブームになってた記憶ありますが、まだ見たことないです。
グラントリノも結構暴力的なシーンがあって、ショッキングではあります。そんな中でワンコの表情にホッとすることが多かったです。

バニーマンさんへ
確かにグラントリノでも暴力的なシーンはショッキングでした。
イーストウッドの作品は沢山見てないですけど、確かに駄作と言われるものは聞いたことないですね。
タバコのことは知りませんでした。不自然さは全く感じませんでした。

こんにちは。「グラントリノ」私も観ましたね ダーティーハリーのイメージが強かったクリント・イーストウッドも、この作品では違った一面で、見入った作品でした。
がちょーさんへ

私はダーティーハリーをちゃんと見た事なかったので、俳優としてのイーストウッドはあまりよく知らなかったのです。逆に若い頃を見てみたくなってきました。


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