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yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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ユッカリーナのヨガ的雑記帳


2014/08/04 11:20 yuccalina

パラジャーノフ「火の馬」のフォークロールとフツルの人々チャンゴーの人々

私は特に民俗学を学んだことはないのですが、音楽や舞踊、映画にファッション等、自分の好きなものを通じて、民俗的なものに惹かれるようになりました。最近ブログでフォークロールに関するエントリーが増えております。浅田真央ちゃんと民族衣装の話(記事はコチラ)をし、民族音楽とクラッシック音楽、フォークダンスとバレエの繋がりを感じ(記事はコチラ)と、話が広がってきたところです。

そこで今再び、グルジア生まれのアルメニア人映画監督、セルゲイ・パラジャーノフのお話をしたいと思います。バレエリュスのコスチューム展(コチラ)でも、ふと思い出したパラジャーノフ。バレエリュスの作品、「タマーラ」がグルジアの伝説の女王のお話だったり、「金鶏」の舞台がアゼルバイジャンだったりと、バレエリュスの衣装の中には、カフカス地方のフォークロアを感じさせるものが多かったのです。

で、私は「ざくろの色」と「スラム砦の伝説」の2本しか見たことがなかったので、その他の作品をYouTubeで検索しているうちに、こんなのを見つけてしまいました。



これは明らかにカフカス趣味とは違います。そして、人々の民族衣装はどこかで見たような懐かしさを感じました。この映画、パラジャーノフ好きと言いつつ見落としてたなんて、私は余りにもウッカリでした。世界的に評価されるキッカケとなった作品「火の馬」です。元々のタイトルは「忘れられた祖先の影」、英語タイトルShadows of Our Forgotten Ancestors、1964年にウクライナで撮影されたそうですが、カルパチア山脈で生活するフツル族の青年イワンの悲恋を描いた作品です。そう、カルパチア山脈と言えば、ルーマニアも含まれますから、同じ文化圏だったんですね。

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英語字幕付きの全編がありましたので、少しずつ2週間くらいかけて何とか見終えました。



Wikipedia(英語版)によれば、フツル族とはルーマニアの北端からウクライナのカルパチア山脈に住む民族で、人口は訳25000人。その内ウクライナに約2万1千人、ルーマニアに約4千人だそうです。言語はポーランド語の影響を受けたウクライナ語の方言。フツルという言葉の意味は、スラブ語のkochul=放浪者、ルーマニア語のhotul=泥棒、無法者で、余り良い意味でなさそう。ジプシーの扱いと近いかも?自身を「フツル」と呼ばずに、周囲の別の民族からそう呼ばれたという点でも、似ていますね。生計は主に林業と羊の放牧で立てているそうです。

後年生まれ故郷でカフカス文化の強烈なカラーを押し出したパラジャーノフ監督ですが、何ゆえにウクライナなのか?と言うと、当時はウクライナ女性と結婚してたそうです。1961年には「ウクライナ・ラプソディー」という作品も残しています。文化に違いはあれど、民族の美意識を全面に出すというコンセプトはこの頃に出来上がったということでしょうか。

ストーリーはイワンの家と敵対する一家の娘マリーチュカの恋物語。幼い頃から相思相愛だったイワンとマリーチュカでしたが、結婚するにはお金のない彼が出稼ぎに行っている間、マリ―チュカは不幸にも事故死してしまいます。イワンは抜け殻のようになりながら、後添えを迎えつつも、結局マリーチュカを忘れることは出来ませんでした。最後は死を持って愛を成就する形なのは、古典的なストーリーとも言えるでしょうか。因みに、ウィキペディアにはもっと詳しく載っております。

「ざくろの色」に比べたら、ストーリーは分かりやすいです。そして、映像の雰囲気も違っています。「ざくろ」以降はは静止してる場面がとても多くて絵画的だったのですが、この「火の馬」はカメラが忙しくグルグル回ってばかりなんです。ちょっと酔いそうになりました。ただ、登場人物の配置とかに拘りも感じられ、背中に翼を付けてる子供が出てきたりと、後の作品を彷彿とさせる部分も多少はあります。また、音楽の使い方も通じるかな。

で、ウクライナとは言え、ルーマニアにも股がるカルパチア山脈で生活する人々のお話ですから、民族が違えど衣装や音楽、踊りはよく似ています。そこで思い出したのが、1992年にルーマニアを訪ずれた時、北東部のモルドヴァ地方に暮らすハンガリー人、チャンゴーと呼ばれる人々です。

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私は当時初めてその存在を知りました。ブラウスやラップスカートの感じが、トランシルヴァニアに暮らすハンガリー人とは全然違ってて、ルーマニア、ウクライナの衣装に近いそうです。

と、こちらの本にも書いてありました。当時購入したチャンゴーに関する本です。

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本の中でチャンゴー人の生活は「遠野物語」の様と表され、占い、迷信、おまじない等が生活習慣の中に、色濃く残っているそうです。そう言えば「火の馬」にも呪術師らしき男性が出てきたり、女性が子供を授かるようにと、全裸で願掛けするシーンがあったり、キリスト教とは別の土着信仰的な部分を持っているようでした。まあ、自然と寄り添って暮らす人々は皆、山や森に対してい畏怖・畏敬の念を持っているでしょうから、自ずとそうなるものかもしませんね。

ちなみに今回フツル族のフォークダンスの動画をいくつか見てみましたが、男女別のラインやサークルでのダンスは、バルカン諸国で見られるHora(地域によってはHoro、Oroとも呼ばれる)と同系のようです。また男性が中腰で踊るところは、コサックダンスのようでもありますね。



それにしても、この「火の馬」も、是非鮮明な大画面で見てみたいですわ。衣装にしろ山の風景にしろ、YouTubeの画面では物足りないです。DVD欲しいですが、悩むところ。また、「ウクライナ・ラプソディー」も英語版の動画がありましたので、見てみて何か発見があれば、また紹介をしたいと思っています。


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タグ: 東欧

テーマ:ヨーロッパ映画 - ジャンル:映画

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Comment
こんばんは。
フツル族の音楽はバクパイプや口琴を使ってるんですね。
確かにバルカン諸国と似た雰囲気があると思いました。
抹茶アイスさんへ
日本ではスコットランドのイメージが強いかもしれませんが、バグパイプはルーマニアの民族音楽でもよく使われてるみたいですよ。


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