ビートクラブdeロックな話(6)~Sly & The Family StoneとSimon Dupree & The Big Sound
- ジャンル:[音楽]
- テーマ:[60年代から70年代のPOPs & ROCK]
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Disc 2-3 : Beat Club No.41(1969年)
Artist : Title
Simon Dupree & The Big Sounds : Broken Hearted Pirates*
Jimmy Savile
The Searchers : Umbrella Man
Sly & The Family Stone : Everyday People*
Boots Randolph
Julie Driscoll & Brian Auger : Indian Ropeman
The Rascals : Heaven
Marv Johnson : I'll Pick A Rose For My Rose
Melanie : Animal Crackers
The Hollies : Sorry Suzanne
Peter Sarstedt : Where Do You Go To My Lovely
Creedence Clearwater Revival : Proud Mary
The Beach Boys : California Girls
The Foundations : In The Bad Bad Old Days
(*印は今回紹介する曲。タイトル無しのアーティストはインタヴューまたは紹介VTR等。)
前回紹介したJulie Driscollですが、「Indian Ropeman」も無茶苦茶格好よくて、「Road To Cairo」とは全然違って疾走感のあるハードな曲です。やっぱBrian Augerのオルガンがカッチョエエっすね。とは言うものの今回はスルーします。興味ある人はYouTubeで探してね。それと、2番目のJimmy Savileはアーティストでなく業界人。イギリスの人気音楽番組「Top Of The Pops」のMCをしていた人で、60年代から長らく英国ロックに重要な役割を果たしていた方であります。
んで、以前に宣言した「あまり馴染みがなかったり、または全く知らなかったアーティストをなるべく取り上げていきたい」という方針にちょっと外れてチョイスしたのがSly & The Family Stone、そして方針通りがSimon Dupree the Big Soundです。それと、先にお断りしておきますが、どちらの曲もビートクラブの映像が見つかりませんでした。つまり、それでも書いておきたかったアーティスト達です。
と言う訳で、出演順と逆になりますが、先ずはSly & The Family Stoneから。私的には20代後半辺りから、ソウルやブルーズに興味が広がって、その流れで馴染みのあるアーティスト。やっぱり自分的に重要であり、ロック史に於いても以下同文。この「Everyday People」という曲は、アルバム「Stand!」からのシングルで、初めて全米No.1になった曲です。キング牧師が公民権運動をしてた60年代のアメリカで、黒人と白人の混成バンド(サックスとドラムがイタリア系)に、どれだけ重い意義があったかは、歴史的にも明らかでしょう。Love & Peaceを体現した希望の星だったんだろうなと、私にも想像出来ます。1964年7月に公民権法が制定され、紙の上での平等がうたわれても、まだまだ黒人差別意識の高かった時代。テレビ出演にしろ、ライヴにしろ、白人ミュージシャンとの差別はまだ色濃く残っていた筈です。また、黒人側からも「白人のメンバーを追い出せ」と脅されていたとか。
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さて、私はこのEveryday Peopleも、勿論Dance To The Musicも大好き!ラリー・グラハムのブォンブォン跳ねるベースがゴキゲン。しかし、私的に一番重要な曲はちょっと違います。それは初めて聴いた彼等の曲「Running Away」で、1983年頃だったと思います。イギリスのポストパンクガールズバンド、The Raincoatsのシングル「No Ones Little Girl」のB面に収められたカバーでした。当時私は高校3年生、渋谷陽一の「サウンドストリート」でこの曲を耳にし、その浮遊感のある可愛い曲の虜になり、すぐさま輸入レコード店へ買いに走りました。それがSly & The Family Stoneの名前が頭に刻まれた時でした。つまり、私にとって彼等は、80年代イギリスのポストパンク&ニューウェイヴと、ソウルミュージックを繋いだアーティストなのです。
実はこの曲、以前に別のエントリーで紹介したことあるんですが、好きなもんは何度でもとことん載せたいんですよね。手作り感漂う、バレリーナを描いたイラストのジャケットに包まれた7インチシングルを、磨り減るくらいまで聴いたものです。
それと同時期に、Paul Haigのバージョンも聴きました。彼はJosef Kというスコットランドのバンドのヴォーカルを勤めていました。Josef Kには後にOrange Juiceに加入するベースのMalcom Rossがいた、中々需要なグループだったと思うのですが、彼がソロに転向後、ベルギーのクレプスキュールからリリースしたシングルが「Running Away」だったのです。
The Raincoatsとはまた一味違ってオシャレ感が漂っているような?PVもあったんですね。今回初めて見ました。
一方のSimon Dupree & The Big Soundは、このシリーズ第3回(ディスク1-3)の時も気になってたんですが、YouTubeで動画が見つかりませんでした。今回の曲もなかったんですが、さわりの部分だけ入ってるものを発見。
30秒ほどで切れてて、しかも2曲目のタイトルも分からないんですけど、どうしても書いておきたかったのは、このグループの中心メンバーだったデレク、レイ、フィルのシャルマン三兄弟が後に結成したGentle Giantに最近興味が湧いてきたからです。
もう幾度となく書いてますが、私にとってプログレは苦手分野でした。しかし、このビートクラブはプログレを見直す良い機会になってきています。Simon Dupreeを最初に聴いたときに、こんなポップな曲やってるのに、どうプログレに繋がっていくのか、興味津々だったのです。んで、フレさんのブログでオススメだったFree Handなぞ聴いてみましたよ。
プログレッシヴロックってどんな音をイメージする?そんな質問に答える場合結構困る。プログレ名盤の音ってもなかなか言い表せないし、そういうアルバムはやはり個性際立っているし、それひとつずつがジャンルになるんじゃないかっつうくらいのもんだからさ。でも、音のイメージはあるよね。人それぞれでフロイドの「おせっかい」かもしれないしクリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」かもしれないし、イエスかもしれない。うん。でもね、自分が一番いわゆるプログレバンドのプログレらしい音っていうのを出しているのはジェントル・ジャイアントだと思うワケで…。
Gentle Giant - Free Hand 「ロック好きの行き着く先は・・・」より
オープニングの「Just The Same」からして、何やら初期のXTCみたいじゃーないですかー?何々、プログレ界では異色の存在であったと?なるほどなー。と驚いてしまったんですよね。で、Broken Hearted Piratesはさらに取っ付きやすいポップで楽しい曲です。途中、スコティッシュダンスも加わって、若干芝居がかった演出もあり、多様な音楽性を感じさせます。元々はブルーズ志向のバンドだったそうですが、一番のヒット曲「Kite 」はメロトロンを多様したサイケデリックな楽曲です。日本のグループサウンズ、アウトキャストが「空に書いたラブレター」としてカバーしていたとか。
アウトキャストと言えば、ジュリアン・コープが「日本のフランク・ザッパ」と呼んだギタリスト水谷公生がいたバンドで、私は後に布施明とセッションしたLOVE LIVE LIFE+1で、その名を知ることになります。
そうそう、ビートクラブ見てると日本のロック史も透けて見えるんですよね。グループサウンズが何故あんな格好であんな曲をやっていたのか?その辺の話も機会があったら書いておきたいな、と思う今日この頃です。
それでは、次回はディスク3に突入で~す。
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癒し系
レインコーツのカバー、可愛いですねー。
脱力感が癒し系な感じです。