プロフィール

yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

月別アーカイブ
リンク

ユッカリーナのヨガ的雑記帳


2012/11/12 08:08 yuccalina

清彦と寅彦~言葉センス有りな理系男子から19世紀末カルチャーと「世界不思議百科」

先週のホンマでっかTV池田清彦先生が欠席で、一気にテションが下がったブログ主です。ま、テーマがネット社会の問題でしたから、ここ数年まで携帯電話も持たない生活をしていたという清彦先生には合わないですよね。

私はこれまでに、清彦先生のエッセイ本を散々引き合いに出してきましたが、ふと思いました。言葉のセンスが良くて、文化芸術にも造詣が深い理系男子って、私の理想かもしれません。中でもビートたけしが一番代表的な存在と言えますが、その昔、20数年前に寺田寅彦(物理学者・随筆家・俳人 1878~1935)の随筆を読んだ時の、新鮮な驚きを今でも良く覚えています。

寺田寅彦随筆集 セット (岩波文庫)寺田寅彦随筆集 セット (岩波文庫)
(2010/08)
寺田 寅彦

商品詳細を見る


池田清彦と寺田寅彦、二文字被っとるやないかーい?とかいう偶然なんかも私は大好きです。で寅彦先生のエッセイは、絵画から食べ物の話、三越の話等身近な話題も豊富。当時の一般市民とは、かけ離れたしゃれおつな暮らしぶりが伺えるのも楽しいのですが、ちょっとした題材でも、ものの見方によって味わい深い話になる、というエッセイの真髄を感じさせるものでした。物理学者とは言え、夏目漱石の弟子であり俳人でもあった寅彦先生。「理系→何でも杓子定規ではかるタイプ」という先入観があった私には、余計に魅力的に感じたことは否めませんけどね。また、私はそのエッセイに書かれていた銀座の「ジャーマンベイカリー」という喫茶店が、もしや自分がよく利用していた有楽町駅前の同名の喫茶店のことではないか、とワクワクしながら頁を捲ったものです。それは、梶井基次郎の「檸檬」に、慣れ親しんだ御茶ノ水・丸善が出てきたこと、そして丸善の前に画翠LEMONという画材屋さんがあるのを見て「そういうことなのか」と嬉しくなった感覚とも似ていました。

さて、理系学科はセンスゼロの私が、何故寺田寅彦を読むに至ったのか。それは、荒俣宏の「帝都物語」に登場した寺田寅彦がカッコ良かったから、とゆー単純な理由。この小説はフィクションですが、史実もふんだんに盛り込まれています。関東大震災後、地震対策として彼が地下都市構想を発表したり、実際浅草~上野間の日本初の地下鉄が開通する場面も出てきます。

帝都物語〈第壱番〉 (角川文庫)帝都物語〈第壱番〉 (角川文庫)
(1995/05)
荒俣 宏

商品詳細を見る


で、その地下鉄と言えば、お手本となったのがロンドン。明治時代の日本がイギリスのグラスゴーに倣って工業化&近代化の道を歩んだ話は、以前蛍の光に関するエントリーで少々触れましたが、勿論19世紀末ロンドンの文化も、その後の日本に多大な影響を与えました。オスカー・ワイルドの小説「サロメ」を飾ったオーブリー・ビアズリーの挿絵は、元々浮世絵の影響がうかがえる作風ですが、日本の本の装丁に逆に影響を与えることになります。その周辺のカルチャー、ラファエル前派の絵画、ウイリアム・モリスのアーツ&クラフト運動から、W.B.イエーツ、アーサー・コナン・ドイル、ルイス・キャロル(そういえばこの人も理系男子か)といった時代を代表する作家たちを虜にしたシークレット・ソサエティ(秘密結社)の話まで、多岐に渡って紹介されている本が「ビアズリーとロンドン」(学習研究社・1987年)です。

19culture2_convert_20121110184718.jpg

<こちらはロンドンで購入したモリスのデザイン画集 Bracken Books, UK 1988>
19culture3_convert_20121112080634.jpg


神秘的なものに傾倒するのは、ケルト民族の気質と関わり合いがありそうですが、それはまた機会があれば別に書きたいと思います。残念なことに、この本は現在絶版のようですが、マッキントッシュとグラスゴー派の話も載っていて、建築やテキスタイルデザインのカラー写真が沢山あって豪華です。

<「ビアズリーとロンドン」より>
19culture1_convert_20121110184706.jpg

ロイヤル・アルバート・ホールやヴィクトリア・アンド・アルバート美術館、アルバート橋など、19世紀末美術のパトロンと言われたアルバート公を記念した建築がロンドンには多数ありますが、かのホールは映画「ブラス」の晴れ舞台になった場所です。かつて、初めての一人旅でロンドンを訪れた時、私はこの美しい装飾が施されたドーム状のホールの前で写真を撮りました。1998年のクリスマスシーズンは、意外にも暖かく、モッズコートの中はシャツだけで、ファスナーを明けていました。私的にアルバート・ホールは、当時好きだったバンド、Echo & The Bunnymenのレコード「Live At The Royal Albert Hall」やシングル「Never Stop」(1983年)のジャケットになってた場所としか認識していなかったと思います。そして、この写真はThe Style Councilのシングル「Shout To The Top!」(1984年)のジャケットを意識したポーズだったりします。テヘッ。シャッターを押してくれた通りすがりの日本人観光客にとっては、さぞや訳が分からなかったとは思います。ちなみに、なにゆえモノクロフィルムなのかとゆーと、単に「カッコよく見えそう」と思ったからでありました。

<Shoutは全然してませんけどね~>
alberthall_convert_20121110183308.jpg

<シングル「Never Stop」のジャケット>
neverstop_convert_20121110151305.jpg

Live At The Royal Albert HallLive At The Royal Albert Hall
(2009/11/06)
Echo & The Bunnymen

商品詳細を見る


<シングル「Shout To The Top!」のジャケット>
shouttothetop_convert_20121110151037.jpg

と、話が逸れてしまいましたが、産業革命により、大量生産される工業製品が人々の美意識を低下させておる、アカーン!として興ったのがアーツ・アンド・クラフツ運動です。その中心人物だったウィリアム・モリスで、ラファエル前派の画家達と深く関わっていました。その辺りを話を荒俣宏さんが書いていて中々面白いです。画家達の女性をめぐる人間関係について書いて、三角関係などゴシップの要素もあったりと。ともあれ、世紀末と秘密結社は正に「帝都物語」とも重なる世界ですね。そして、本書にも登場する神智学協会のブラヴァツキー夫人について書かれた本を、私はもう1冊所有していたことに気が付きました。

それがコリン・ウイルソンの「世界不思議百科」です。発売当時(1989年)ビートたけしがオールナイトニッポンで「今、こんな本を読んでいる」と紹介してたので、即購入して読みました。あの頃の私はたけしの影響で読んだ本や見た映画が沢山あったものです。

世界不思議百科世界不思議百科
(2007/02)
コリン ウィルソン、ダモン ウィルソン 他

商品詳細を見る


ブラヴァツキー夫人は「ヒマラヤの密教徒(ってチベット密教のことか?)から奥義を授かった」と言われてたそうで、だったら多少ヨガとも関わり合いがありそうな気もしますが、出てくるのは専ら心霊との交信やら、超能力やらです。その「神秘の人々」という章では、「帝都物語」で重要な役割を持つグルジェフについても語られています。私は都市伝説とかUFOとか超常現象とかに、特別興味があった訳ではありません。では、何故こんな話を引き合いに出したのかと言うと、後年気が付いたことには、ロックアーティストが黒魔術に興味を持ったり、違う世界を体験したくてドラッグに手を染めたりと、似たような事は、昔から繰り返されてるんかなあー?と、うっすら思ったからです。表現を突き詰める人々は、怪しげなものにハマりやすい?因みにトム・クルーズが信仰してることで有名になったサイエントロジーの創始者、故ロン・ハバード(1911~1986)は、1960年代のドラッグ・カルチャーと関わりが深いのです。チベットなどで聖人と学んだと豪語し、その実ドラッグ漬けのイカれたSF作家だったとも言われています。

と、また話が逸れちゃいましたが、この「世界不思議百科」では、その他ツタンカーメン王の呪いを始め、バミューダトライアングル、カスパール・ハウザーの謎等々、盛り沢山な内容ですが、イギリス出身の作家さんだけあって、イギリスネタが多いです。ネス湖のネッシー、シェイクスピア、ロビン・フット、アガサ・クリスティの失踪事件等々。そんな中で注目したいのが、イギリスにある「アイルワースのモナリザ」。

<「世界不思議百科・永遠の美女モナリザはどこにいる」より>
19culture.jpg

この話題はつい最近、朝日新聞の夕刊に写真入りで報道されました。記事の内容がこの本に書かれていた域を出ていないことから、最近やっとこの説が証明された、という事なのでしょうか。簡単に説明すれば、ルーブルにある絵は本来「モナリザ」として描かれた作品ではないというお話です。ダ・ヴィンチの伝記作家のジョルジオ・バザーリの記述や、弟子のラファエロがダ・ヴィンチのアトリエでしたスケッチと符合するのが、アイルワースのモナリザであり、ルーブルの絵は単純な誤解で「モナリザ」の名札をつけられたと。

と言ったところで、最後に話は再び池田清彦先生に戻ります。最新のエッセイ本のタイトルは「アホの極み」。えっ?もしやタイトル付けた編集者がハマカーン(ゲスの極み)のファン?なんつーことはまずないでしょうねえ。そういえば、ハマカーンの2人も理系男子(東京農工大卒)なんですよね。浜谷にはさらに古典っぽい決め台詞を、沢山作って欲しいものです。

アホの極み 3.11後、どうする日本! ?アホの極み 3.11後、どうする日本! ?
(2012/09/20)
池田清彦

商品詳細を見る


って最後まで話が脱線ばかりですみませんが、ここはやっぱり、清彦先生のお友達?でもある養老孟司先生の「バカの壁」から来てる取るべきなんでしょうね。こちらは読み終えたら、追々紹介しようと思っております。ホンマでっかTVを見ていると、同じ理系男子でも澤口の喋りが速すぎるわ滑舌悪いわ、人の話はちゃんと聞いてないわで、イラッとすることが多い私です。池田清彦先生のいない「ホンマでっか」は、やはり物足りないですわ。


お読み頂きありがとうございました。
↓良かったらどちらか1つポチお願い致しますm(__)m

blogram投票ボタン
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

タグ: 池田清彦 ホンマでっかTV イギリス ケルト ビートたけし ハマカーン

テーマ:お気に入りの本 - ジャンル:本・雑誌

超我流パクチーの育て方 | ホーム | ロステレコム杯・男女シングル結果
Comment


Trackback
この記事のトラックバックURL
http://notarinotariyoga.blog.fc2.com/tb.php/494-cd80bb1c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
ご訪問ありがとうございます
最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
最新トラックバック
ユーザータグ
フリーエリア
RSSリンクの表示
Web page translation
QRコード
QR