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yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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ユッカリーナのヨガ的雑記帳


2012/10/04 08:30 yuccalina

映画「耳に残るは君の歌声」~ユダヤ人とロマ

ちょっと前に映画「ジプシーのとき」の音楽について書いていたあたりから、私の中でクレズマー(イディッシュ語を話すユダヤ人の音楽)とロマ音楽が再ブームになっている今日この頃。別々の共同体に属しながら、同じヨーロッパの地で生きてきたユダヤ人とロマ。実はナチスドイツによる大量虐殺(ホロコースト)の被害にあったのは、ユダヤ人だけでなく、数多くのロマも含まれていたと言う話は、ウィキペディアにも載っています。その他にも共産主義者や同性愛者、障害者も含まれていたのは、更に胸にグサッとくるものがありますが、似たような運命を辿ったユダヤ人とロマ。但し、強制収容所から生還して回想録「夜と霧」を書いたヴィクトール・フランクルのような人が、ロマにはいませんでした。

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先日の記事の中で、どこかでユダヤとロマに音楽的な接点はあったのでは?と私は勝手に想像していましたが、フィクションの世界でこの2つの民族が交差するシーンがあったのを思い出しました。それは映画「耳に残るは君の歌声」(原題はThe Man Who Cried、2000年イギリス・フランス合作)。

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主演のクリスティーナ・リッチはロシアの寒村に生まれたユダヤ人の女の子で、父親は音楽家。ロシアから1人イギリスへ逃げてきて、歌の才能を見いだされ音楽学校に入り、その後パリの舞台に上がります。そこでジョニー・デップ演じるエキストラとして雇われたロマの青年と恋に落ちます。ナチスのフランス侵攻と共にこの恋は終わってしまうのですが、酒場でクリスティーナが別のロマの青年と踊るシーン(ちょっとフラメンコ風?)や、ジョニー・デップの仲間達が音楽で彼女を歓迎するシーンなど、鮮烈な印象がありました。時代的にも安住の地がない2人が惹かれあうのは、とても自然な事に思えたものです。

<ダンスシーンは5:30あたりからです>


<5:40あたりから、ロマのおじさんが歌ってくれます>


さて、先日クレズマーを取り上げた時に、トランシルヴァニア在住の谷崎聖子さんから、Di Naye Kapelyeというハンガリーのクレズマーバンドを教えてもらったので、ちょっと紹介しようと思います。ユダヤ人もロマもその土地の民謡の影響を受けていたら、似たような音楽になっていくのでしょうか。Di Naye Kapelyeにもトランシルヴァニアのロマが奏でる音楽に似たものがあります。そして、ちょっぴり陰鬱な暗めのメロディが多いのも似ています。トランシルヴァニアのCsik(チーク)地方のダンス音楽が、ちょっとエキゾチックでクレズマーっぽいなと思ったので、一緒に動画を貼っておきます。



Di Naye Kapelyeについてはネット上での情報しかありませんが、リーダーのBob Cohen(ボブ・コーエン)はアメリカ育ちの方のようです。バンドはプダペシュトで1993年に結成され、現在までに「Di Naye Kapelye」「A Mazeldiker Yid」「Traktorist」と3枚のアルバムを発表しています。コーエン姓といえば、カナダ出身のシンガーソングライター、レナード・コーエンや映画監督のコーエン兄弟が思い浮かびますが、ユダヤ人のポピュラーな姓なんでしょうね。レナード・コーエンのバックグランドにクレズマーがあったのかどうか等は、興味深いところですが、その話はまた別の機会にしましょう。それとハンガリーで思い出しましたが、「耳に残るは君の歌声」の中で「暗い日曜日」が歌われているのですが、作曲者のSeress Rezse(シェレシュ・レジェー 1988~1968)はハンガリー出身のユダヤ人で一時、強制収容所に送られた経験があるそうです。

こちらのCsikのダンスは、タップを習っていた私に結構衝撃的なものがありました。激しく床を踏むスタンプがシンコペーションしてるんですよね。私にとっては、前半のスローパートが特にクレズマーを想起させるメロディです。

<ダンサーだけで、演奏家は写っていません>



さて、「耳に残るは君の歌声」でのジョニー・デップは本当に格好良かったです。若干小奇麗過ぎる感もありましたが、、、。私は別に彼のファンではなくて、きちんと見た映画は3本しかありません。「ギルバート・グレイプ」とあともう1つが「アリゾナ・ドリーム」(1993年 フランス・アメリカ合作)です。「アリゾナ」はそう、「ジプシーのとき」のエミール・クストリッツァ監督作品。音楽も同じゴラン・ブレゴヴィッチです。ロマ繋がりでしかジョニーを知らないのでした。「アリゾナ」も摩訶不思議な作品でしたが、要所要所で出てくる、くわえタバコでアコーディオンを弾くリリ・テイラーの姿が、とても印象深かったです。

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<ここではタバコ加えてないですが、、>


旧ユーゴスラヴィアの内戦を逃れて渡米したクストリッツァ監督が、アメリカで撮った最初の作品だったと思います。故郷を思わせる音楽が彼に力を与えていたのでしょうか。前述の「夜と霧」の中でも、希望を見失わない人々は歌を歌っていたと言います。ロマの音楽やクレズマーには、人々の生への希望が込められてきたのかもしれません。


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タグ: ロマ ワールドミュージック トランシルヴァニア クレズマー 東欧

テーマ:ワールドミュージック - ジャンル:音楽

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