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Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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ユッカリーナのヨガ的雑記帳


2011/10/14 14:43 yuccalina

セルゲイ・パラジャーノフ「ざくろの色」―アルメニアのエキゾチックな美に浸る

アルメニアという、現在では独立国となったコーカサス地方の地名を初めて知ったのは、アメリカの作家ウィリアム・サロイヤンを介してだったと思うが、より身近に意識したのは、旧ソ連関係の仕事をしていた20代の半ばだった。私の東欧趣向からワールドミュージック好きまでに至る原点だったと思う。当時の上司はカラオケで「ろくでなし」を歌うシャンソン好きの大阪人で、「シャルル・アズナブールもアルメニア人や」と教えてくれたものだ。アルメニアからお客様を迎えての食事会に出たことがある。会話は全てロシア語通訳を介してだったが、ウォッカよりもワインやコニャックが好き、と言っていたっけ。しかし、実はそれより数年前、すでにアルメニアと出会っていた事を、私は後になって知った。22、3の頃に見た、「ざくろの色」と「スラム砦の伝説」という映画を監督したセルゲイ・パラジャーノフは、アルメニア人だったと。

私はこれから、主にその「ざくろの色」について書いていくつもりだが、先に断りをいれておく。私は普段から自閉症(発達障害)の息子と接し、「感覚の違い」を日々実感しながら生活している。だから、お笑いに、映画、音楽、ダンス、フィギュア・スケート等々ジャンルを問わず、このブログで取り上げている事は全て、自分の感覚に従っているに過ぎず、理論として主張する気は毛頭ない。私がどんなに「何々を美しい」と褒め称えても、一方でそれを「気持ち悪い」と言う人がいて当然と考えている。これから紹介する画像や動画は、現在の日本のマスメディアで馴染みの深いものではないと思うので、もし、生理的に受け付けられなさそうだったら、無理して見ないで下さい。先日「ダンス脳」の記事でも書いた事とも符号するけど、美的感覚も其々違っていて、当然な訳ですから。

さて、「ざくろの色」はアンドレイ・タルコフスキーが好きな友人に連れられて、訳も分からずに見に行った。ストーリーは殆ど無く、アルメニアの詩人サヤト・ノヴァの詩に沿ったイメージのコラージュが延々続き、絵画を見ている錯覚に陥る。先日話題にした、「たけしと鶴瓶のトークショー」の中で、「監督北野武は台本を書かず、絵コンテだけで作る」と言ってたが、パラジャーノフ監督の映画は、一瞬一瞬のどこを切り取っても美しい絵画のようだ。俳優達の動きもまるでパントマイムのようだし、人や物の並び方、強調された眉毛のライン、首の傾け方に指先の動きまでが、全て様式化されている。そして圧倒的なのはその色彩感覚だ。ざくろの色と対比される血の色、朱や藍に染められる糸、等々。まー、鶏のシーンとか目を覆いたくなる箇所もあったりするんだが、、。当時は映画館で睡魔と戦いながら、やっと見終えた記憶があるが、退屈で眠くなったというより夢見心地な映像が眠りを誘ったと言って良いと思う。だからこそ、その後にまた夢見心地になりたくて、私は一人で「スラム砦の伝説」を見に行ったのだった。

parajanov.jpg

上は日本公開当時のチラシ。写真は未見の「アシク・ケリブ」のものなので、何を表してるのか分からないんだが、左下のメイクが、まるでインド、ケララ州の伝統舞踊「カタカリ」みたいで面白い。Wikipediaでパラジャーノフ監督を調べてみた。旧ソ連当局から危険人物扱いされ、投獄、過酷な労働という辛苦をなめた監督が晴れて、「スラム砦」と「アシク・ケリブ」が撮れたのは、ゴルバチョフ書記長のペレストロイカのお陰だったらしい。

話を「ざくろ」に戻すと、装飾品も音楽もヨーロッパというよりは、中近東に近いテイストで、やはりペルシャの支配下にあった歴史を感じるが、アルメニアは世界で初めてキリスト教を国教とした国、というギャップで更に神秘的に感じる。余談だが、お隣のグルジア出身のバレリーナ、ニーナ・アナニアシヴィリや、フィギュアスケーター、エレーネ・ゲデヴァニシヴィリを見るときも、私は似たような感覚を抱く。「ざくろ」をもう一度見たいなと思ってたら、やはりYouTubeにありました。英語字幕版ならフルで見られるけど、今回は映画の冒頭の動画を紹介。

<色彩がイマイチ綺麗に出てないんで、やっぱDVD買おうかなー>


<こちらはファンが作ったらしい名場面を繋げたビデオモンタージュ。使用してる音楽は不明。>


勿論、大きな画面で見たいという人はDVD、特に監督人物像や制作秘話で綴られた3時間超のドキュメンタリーとセットになったプレミアム・エディションも出ている。

ざくろの色 プレミアム・エディション[DVD 3枚組]ざくろの色 プレミアム・エディション[DVD 3枚組]
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ソフィコ・チアウレリ

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最後に、これまで映画のメッセージなど何も考えずに見てきた私だが、ざくろといえば、近年滋養深い果物として、健康食品の店でジュースが売られたり、美容関係の製品にも使われている。やはりざくろの色は血の色、生命のエネルギーを表してる色なのかもしれない。勿論深い意味など考えず、ただ感じるだけで十分だとは思うけど。

<追記>ブログで映画レヴュー書かれてる方がいらっしゃったので、フォローとしてトラックバックします。
FILM 「ざくろの色」(セルゲイ・パラジャーノフ)

こちらはアルメニアを旅行された方の記事です。何とパラジャーノフ博物館へ行かれたそうで、写真が沢山載ってます。特にモナリザを素材にしたコラージュがステキで、やっぱこの人のセンス好きだわー、と再確認しました。
キテレツ博物館<217日目> in エレバン ― 16回目の1人旅
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テーマ:個人的な映画の感想 - ジャンル:映画

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Comment
とてもエキゾチックで、素敵な映画でした。
中東の国のキリスト教、
ふだんここヨーロッパで目にし耳にする文化とは、
また違ったものを感じました。

トルコの東側はアルメニア人が住んでいたそうですね。
古い遺跡がよその民族によって壊されてしまうのは、
悲しいことです。

YOUTUBEで他の場面が見られるのは有難いです。
実際にはもっと色が美しいのに、
それがうまく再現されていないのは残念です。
また、素敵な情報をよろしくお願いします。
いるんですね。

私はDVD持ってます。

色彩が全然違いますよ。

好きなら買った方が良いと思います。
コメントありがとうございます。そして、気に入って頂けて嬉しいです。

> トルコの東側はアルメニア人が住んでいたそうですね。
トルコとは“虐殺”とか、歴史的に色々あったんですよね。最近国交は回復したそうですけど、、。数年前にカナダ国籍のアルメニア人監督、アトム・エゴヤンの「アララトの聖母」って映画があって、その大虐殺が題材だったんですけど、正直見るのが辛かったです。
情報ありがとうございました。やはり色は大事ですよね。


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