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yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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2015/12/16 15:38 yuccalina

父の眼差しとリーダーの眼差し~栗林忠道『玉砕総指揮官の絵手紙』

クリント・イーストウッド監督の映画『硫黄島からの手紙』の原作の一部となっている本、『玉砕総指揮官の絵手紙』を読み終えました。映画の中では渡辺謙が演じる栗林忠道のモノローグで、回想シーンとして描かれていたものです。

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本の中の大半が絵手紙ですから文字が少なく、結構早めに読み終えてたんですが、好きなところは何度もリピートしてしまいました。しかし、後半部の戦時中の手紙はとても重たく読むのが辛かったです。

前半の絵手紙は戦前のアメリカ留学期(1928年3月~1930年4月)、まだ字が読めなかった息子太郎に宛てて書かれたもので、後半、硫黄島から出された手紙(1944年6月~1945年1月)が収められています。勿論絵を描く余裕などなく、主に独り母親の実家に疎開していた二女、たか子に宛てですが、最後の手紙は1945年2月3日付で、家族全員へ最後の別れを告げています。「父なき後も皆しっかり生きなさい」と言う内容に、私は涙が滝のように流れてしまったのは言うまでもありませんが、ここではアメリカ留学時代の絵手紙から、印象に残ったものを紹介しますね。

栗林忠道は騎兵隊出身でしたが、やはり大の馬好きだったようで、乗馬の絵の上手さにもそれが表れてる気がします。

book6.jpg

映画でもバロン西の愛馬の写真を見せてもらうシーンがありましたっけ。ちなみに、タイトルの一番愉快な事は勿論乗馬。そしてイヤなことはダンスだったそうです。

また、馬だけでなく、犬好きでもあったようで、近所の犬と遊ぶ姿も。

book7.jpg

でも「犬も英語でないと通じない」というお話。

そして、これも映画に出てきた話ですが、自動車が好きだったんですね。アメリカに渡った当初は、言葉の不自由もあってでしょうが、猫しか話し相手がいない、なんて寂しげな文面もありましたが、後半になると車に乗って、道行く子供達に「乗せてあげようか?」なんて声を掛けたりしています。

こちらは購入した車のカタログ写真と絵のコラージュですが、愛車自慢する得意げな顔が微笑ましいです。

book10.jpg

さて、自動車に関しては個人的な楽しみだけでなく、日本国の将来を想う話も。アメリカでは下宿の女中のおばさんでさえ、日本の乗合自動車よりも良いのを持っていると、少し複雑な思いを吐露しています。

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1930年頃から既にアメリカでは高給取りでなくても車が手に入った。つまり、それだけ安く生産出来ることに圧倒されてしまう訳です。また、他にも車開発技術は軍需産業とも結びついていることに着目していて、日本の技術の遅れを憂いていた話も出てきました。絵手紙の中には、子供を思う優しい父親の眼差しだけでなく、日本の代表としてやってきた責任感みたいなものが漂っていたのですが、それから90年、今や世界中に普及した高性能の日本産自動車。栗林中将もあの世で喜んで頂いてるでしょうか。

しかし、アメリカの国土の広さと技術力に圧倒される一方で、「食事は貧しい」というのにはちょっと笑えます。毎日豆やイモばかりの食事にうんざりしていた様子もあり、

book8.jpg

「日本人の食事は贅沢なものさ」と。「イモばかり食べるのは貧乏人」とアメリカ人に言ったら、ジョークだと勘違いされたそうです。都会は別として、アメリカの食事が貧相なのは、今でもあまり変わってないかも?

栗林忠道の父として、そしてリーダーとしての眼差しが伺える絵と手紙は、同時に日本人が見た1930年頃のアメリカを伝える資料として、とても興味深い本だと思いました。


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Comment
yuccalina さん、こんばんは^^
栗林中将は立派な指揮官でいらしたのだと思いますが、絵手紙からは優しそうなお人柄が偲ばれて、なんだか切ないですね。
それにしても、素敵な絵を描かれる方だったのですね。
良いご本をご紹介くださって、ありがとうございます。
Arianeさんへ

> 栗林中将は立派な指揮官でいらしたのだと思いますが、絵手紙からは優しそうなお人柄が偲ばれて、なんだか切ないですね。
> それにしても、素敵な絵を描かれる方だったのですね。
> 良いご本をご紹介くださって、ありがとうございます。

はい、ここでは紹介してませんが、新聞配達の少年を部屋に上げて、お茶とお菓子をふるまったりする絵手紙もあり、とても優しい方だったようです。そういう人が戦闘を指揮せねばならなかった。しかも相手は留学中に多くの交流をしたアメリカ人というのは、尚更辛かったでしょうね。
デフォルメされた自画像も良く似ていました。絵も文章もセンスが良いなと思いました。本当は新聞記者になりたかったそうで、世が世なら、全く別の道を歩んでいたのかもしれませんね。


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