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yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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ユッカリーナのヨガ的雑記帳


2011/08/15 09:31 yuccalina

まさかの布施明―Julian Copeからの~

先日、ジョー山中の訃報を聞いた時、私が真っ先に思い出したのは、「ままー、どぅゆーりめむばー」と、映画『人間の証明』のテーマソング、当時私は中学生だった。残念ながらフラワー・トラヴェリン・バンドの彼については、つい最近まで良く知らんかった。この本、『ジャップロック・サンプラー』を読むまでは、。

<表紙の写真はフラワー・トラヴェリン・バンド『エニウェア』のジャケット>
JAPROCKSAMPLER ジャップ・ロック・サンプラー -戦後、日本人がどのようにして独自の音楽を模索してきたか-JAPROCKSAMPLER ジャップ・ロック・サンプラー -戦後、日本人がどのようにして独自の音楽を模索してきたか-
(2008/07/23)
ジュリアン・コープ

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10年近くの間、音楽雑誌も買わず店で新譜をチェックする事もなかった私が、最近Amazonで旧譜の検索をしていた折り、Julian Copeも買っとくか、とページを当たっていて見つけた本だ。日本語翻訳版の出版から既に3年経っているので、これから書く内容は、マニアには既に周知かもしれない。

彼のお薦めする日本のロック名盤に上げられていた1つが、この1971年発表のLOVE LIVE LIFE+1。市原宏祐(sax)、水谷公生(g)、柳田ヒロ(key)、チト河内(d)らのスーパー・セッションにプラス1のヴォーカリストとして迎えられたのが、かの布施明。「シクラメンのかほり」の布施明。「君は薔薇より美しい」の布施明。ハリウッド女優だったオリビア・ハッセーをヨメにした男はやはり、タダモノではなかったらしい。君は知っているか、ファンキーな曲でシャウトする布施明を?私は全然知らんかったよー。

LOVE WILL MAKE A BETTER YOULOVE WILL MAKE A BETTER YOU
(2009/03/06)
LOVE LIVE LIFE + ONE、布施明 他

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<真ん中のベルボトム男が布施明>



この本で、ジュリアンが高評価してる他の、裸のラリーズや芸能山城組、ジャックス等は、高校時代、年上のロックファンの知人から教えられたものだが、布施明については全然聞いてないよー。ジュリアンは後にポップス歌手として大成した布施明のキャリアを踏まえた上で、「こんなにも大きく開いた文化間(ロックとポップス)の亀裂を、ここまで見事にまたいでみせたアーティストは、今日に至るまであらわれていない」と絶賛している。もし私がジュリアンのファンじゃなかったら、巡りあってなかったかもしれない、なんて奇妙な現実なんだー。YouTubeを検索すれば、このアルバムのその他の曲(キング・クリムゾン風もアリ)のみならず、ジュリアンが高く評価しているフラワー・トラヴェリン・バンドの「サトリ」や、裸のラリーズ、JAシーザー、芸能山城組、マジカルパワーマコ等、殆どのアーティストの曲を聞くことができる。欧米人のコメントも多く、どうやらアニメの世界同様に、日本人以上日本のロックに詳しい音楽ヲタクがいるらしい。そしてこの本が少なからず影響を与えているに違いない。

<ジュリアンが大絶賛の『サトリ』>
サトリサトリ
(1998/05/25)
フラワー・トラベリン・バンド

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特筆すべきは、ジュリアンが、内田裕也をかなり重要な人物として、多くのページを割いている事だ。日本じゃ世間を騒がせる困った爺さん程度にしか、認識されてなさそな彼を、ロックアーティストとして、正当に評価するイギリス男。また奇妙な話だけど、巻末の対談(近田春夫×マーティ・フリードマン)で、近田春夫が「(ジュリアンが描く)内田裕也さんっていう人の意味合いは間違っていない。リアルタイムじゃなくて、そのニュアンスを知ったのがすごい不思議。」と驚いていた。

しかし、残念な事に、ジュリアンは日本の音楽業界の力を借りず、一人で調べたらしく、事実誤認の項目が非常に多い。そのため、それら全てに脚注が付けられ、大変読み辛い上に、一々間違いを正されては、まるで彼の仕事を貶めているみたいで、余り気分の良いものではない。日本人が書いた本で、これに相当する量と内容のものは存在しないらしいので、是非とも日本の音楽業界は、ジュリアンの仕事に敬意を表し、双方が合意の上で、今一度内容を擦り合わせてもらいたい。そして、英語版、日本語版共にコンプリート版を出し直して欲しいものだ。このまま、中途半端な形で残しておくのは、勿体無いと思う。

良いもを次の世代に残したいのは、どの世界も同じこと。LOVE LIVE LIFE+1の曲は、布施明に紅白歌合戦で歌ってもらいたいとこだが、彼は若手に枠を譲るべく、紅白からの勇退を宣言してしまった。それなら、若手のバンドとミュージックフェアでジャムセッションとか、やってくんないかしらー?私は最近、美容院で20才くらいのシャンプーボーイorガールと、昔のロック話で盛上がる事が多々ある。自分自身が20代の頃に、60年代のガレージバンドとか古いモノを聴き漁ってたから、全然驚かないが、今度は布施明の話でもするかね。「歯みがけよー」「布施明聞けよー、ババンババンバンバン



ジュリアン・コープとは
イギリス出身。78年Teardrop Explodesを結成。2枚のオリジナルアルバム『KILIMANJARO』と『WILDER』(どちらも入手可能。私はかつて輸入盤屋を探し歩いて、やっと中古を買ったものだが、、)を残して解散。その後ソロに転じてから、何度も来日しているが、私が見たのは85年日比谷野音、87年渋谷公会堂及び、インクスティック芝浦、89年の有明MZAを2回で、合計5回。かなり思い入れのあるアーティストだった。88年発表4枚目のソロ、『MY NATION UNDERGROUND』には60年代のガレージバンドVOUGESのカヴァー曲『5 OCLOCK WORLD』などキャッチーな曲が多いが、タイトル曲のイントロが、偶然にもLOVE WILL MAKE A BETTER YOUの冒頭(アカペラ)に似たフレーズで、ちょっとビックリ(ただ、元ネタはスライらしいけど)。ちなみにジュリアンは寡作ながらも、音楽活動は継続中のようだ。




My Nation UndergroundMy Nation Underground
(1990/06/01)
Julian Cope

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タグ: イギリス ジュリアン・コープ 60年代

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Comment
記事のご紹介ありがとうございました!すごい、先にこんな詳細なエントリをされているとは~。

「日本のロック」を日本から見ると、いわゆるはっぴいえんど中心といいますか、あの面々の流れを軸にした見方がされるのですが、ジュリアン・コープの評価するグループを見ると、サイケやハードロック路線なんですね。近田春夫は内田裕也に師事していましたし、これから読むのが楽しみです(^O^)
いたち野郎さんこんにちは。

> 「日本のロック」を日本から見ると、いわゆるはっぴいえんど中心といいますか、あの面々の流れを軸にした見方がされるのですが、ジュリアン・コープの評価するグループを見ると、サイケやハードロック路線なんですね。近田春夫は内田裕也に師事していましたし、これから読むのが楽しみです(^O^)

そう言えば、はっぴいえんど、全く出てきませんでしたっ!間違いの多さに問題はあるものの、この本をキッカケに興味沸いてきたアーティストも沢山いて、私には良いガイドブックになっております。


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