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yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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2015/08/24 08:30 yuccalina

兵士達のありのままを描こうとした『父親たちの星条旗』

クリント・イーストウッド監督作品『父親たちの星条旗』を見ました。終戦記念日の8月15日に、CSの映画専門チャンネル、ザ・シネマでは、本作と『硫黄島からの手紙』を連続放送していたので、両方とも録画してみたんです。

戦争映画は普段敢えて見ない私ですが、これはずっと気になっていた作品。イーストウッド監督が好きだから、と言うのも勿論ありますし、やはり今年が戦後70年と言うことで、見るには良いタイミングではないかと。以下ネタバレありますので、ご注意ください。

太平洋戦争末期の硫黄島での戦いを、アメリカ、日本、双方の側から描いた2作品の先ずはアメリカ側です。硫黄島の擂鉢山に立てた星条旗。その写真によってその後の人生が左右された兵士3人を中心とした物語です。



旗の立て直し及び、写真の取り直しがあったため、いわゆるヤラセがあって、3人は偽りのヒーローとして役目を全うせねばならなくなった。当時アメリカは戦争により借金だらけで破産寸前、その為国民に国債を買わせる為のキャンペーンとして、ヒーロー3人は担ぎ出されたのでした。

映画は既に老齢となった元衛生兵のドク・ブラッドリー(ライアン・フィリップ)の、回想(戦場)のシーンに始まり、それに続く、

戦争を分かった気でいるやつはバカだ・・・・
皆単純に考えたがる
”善対悪”
”ヒーロー対悪者”・・・・・
だが、実際は我々の思うようなものではない


と言うモノローグは、見終えた後には、作品の全てを物語ってた様に感じました。この視点は終始一貫していた。私はここで、この映画は信用出来ると確信したシーンでもありました。

勝者アメリカは全てが正しく、敗者の日本は全てが間違っていた、という善対悪の単純な図式で、一方的に裁かれてしまったのは、裁判でのことに過ぎません。アメリカが勝利して万々歳な単純なお話にしていないのは、原作からあったのでしょうが、私はイーストウッド監督の戦争観でもあるんじゃないでしょうか。この映画には、襲ってきた日本兵や手榴弾で自爆した兵士の死体が映るだけで、あくまでもアメリカ側の事情しか語られないのですが、決して、アメリカ人だから正義という枠にはめていないのです。そして、英雄とは何なのか?を問うているのですが、その答えは最後にドクの息子(=原作者でもあるジェイムズ・ブラッドリー)が、

英雄とは人間が必要にかられて作るものだ
そうでもしないと、命を犠牲にする行為は
理解しがたいからだ
だが父と戦友たちが危険を冒し傷を負ったのは
仲間のためだ
国のための戦いでも死ぬのは友のため
共に戦った男たちのためだ
彼らの栄誉をたたえたいなら
ありのままの姿を心にとどめよう
父がそうしたように


と語り、戦士たちが海岸で束の間の休息をする姿で、映画は幕を閉じました。ヒーローを崇めるよりも、心に追った深い傷や後悔や疑問をも含め、一人一人の生き様をありのままに受け止めようと言うのは、戦場での兵士達の描き方でも十分に伝わってきました。例え敵と言えども、転がる死体の山を見て、喜べる人間など、殆どいなかったのでしょう。

ちなみに、ヒーローの一人アイラ・ヘイズ(アダム・ビーチ)がインディアンだからと露骨に差別されたり、上陸作戦の会議の場で、無表情な黒人部隊(多分、捨て駒扱いの指示だったか?)がチラッと映し出されるところ、戦場とは離れた場所で好き勝手なこと言ってる政治家等が描かれているのも、アメリカのありのままを伝えようとしていたからかもしれませんね。戦闘シーンなどリアル過ぎるところは、つい早送りしてしまったりもありましたが、それも兵士達の心理を描くには必要だったのでありましょう。

戦闘シーンでは皆同じ服装にヘルメット姿のため、日本人には誰なのかを識別するのが結構難しい気がしますが、これは逆に『硫黄島からの手紙』を見た時に、アメリカ人もそうなるのかな?なんて思いました。知ってる俳優がドクの友人イギーを演じたジェイミー・ベルだけでした。そう、リトル・ダンサーのあの子が、あのビリー・エリオットがっ!という感情移入?もあってか、イギーの最後に関しては私も気持ちが暗くなってしまいました。いや、倒されてるのが皆日本人なのに!私の祖父、曽祖父世代の日本男児が次々と撃ち殺されたり、自爆した後を見るのは辛いです。でも最後まで見ました。とても良い映画だと思います。原作『硫黄島の星条旗』も読んでみたくなりました。


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Comment
こんばんは。

観たのが随分前なので、思い違いもあるかもしれませんが、
これと兄弟作の「硫黄島からの手紙」も、アメリカにも日本にもどちらにもフラットに対応していると思いました。

ご指摘のように、“勝者アメリカは全てが正しく、敗者の日本は全てが間違っていた、という善対悪の単純な図式で、一方的に裁かれてしまったのは、裁判でのことに過ぎません。”という意識が貫かれていたと思います。

日本兵の識別が出来ないというのは、戦争の恐怖を際立たせるためだったような記憶があります。分からない敵というのは怖いですよね。

二本で一本のような作品構成なので、『硫黄島からの手紙』も続けてどうぞ。
バニーマンさんへ

> 観たのが随分前なので、思い違いもあるかもしれませんが、
> これと兄弟作の「硫黄島からの手紙」も、アメリカにも日本にもどちらにもフラットに対応していると思いました。

> ご指摘のように、“勝者アメリカは全てが正しく、敗者の日本は全てが間違っていた、という善対悪の単純な図式で、一方的に裁かれてしまったのは、裁判でのことに過ぎません。”という意識が貫かれていたと思います。

ええ、そうですね。ヒーローは作られた虚像である、と言うのが話の主軸となってるので、尚更アメリカへの視線がとてもクールに感じられました。そして、兵士一人一人の物語を伝えることで、敵・見方に関係なく共感出来る話になってたと思います。

> 日本兵の識別が出来ないというのは、戦争の恐怖を際立たせるためだったような記憶があります。分からない敵というのは怖いですよね。
ええと、これは私の書き方が良くなかったのか、戦場でのアメリカ兵が識別し辛いなと思ったんです。日本兵が敢えて顔ナシ状態で描かれてるのは伝わってきました。同じ服装とヘルメットだと、欧米人の顔を見分けるのは大変。同じように『硫黄島からの手紙』をアメリカ人が見たら、見分けつくのかな?と思ったんです。

> 二本で一本のような作品構成なので、『硫黄島からの手紙』も続けてどうぞ。
実はもう見終わってるのですが、中々書く気になれません。私も日本人の端くれなので、思う所が沢山あり過ぎて、難しいですね。
硫黄島はフィンランドの映画館で見ますたが、この映画は残念ながらまだ見てませんぐ・・・
イーストウッドの戦争映画といえば、最近、レンタルで「アメリカンスナイパー」を見たんですけど、やっぱイーストウッドは素晴らしい監督だと思ったニダ。
ウリ旦那の方は「アメリカの視点だ。プロパガンダが入ってるところにガッガリ」と言ってました。でも、ウリから見ると、イーストウッドはスナイパー本人の目線を忠実に表現しようとしただけじゃ?と思ったニダ。単純な戦争美化映画ではなかったし、主人公の気持ちの変化を淡々と表現出来てたと思いますた。
この映画も硫黄島やスナイパーの映画のように丁寧な感情描写がある映画なんでしょうね。ぜひ、見てみたいと思います。
Mansikka様ばんしお~!

> 硫黄島はフィンランドの映画館で見ますたが、この映画は残念ながらまだ見てませんぐ・・・
> イーストウッドの戦争映画といえば、最近、レンタルで「アメリカンスナイパー」を見たんですけど、やっぱイーストウッドは素晴らしい監督だと思ったニダ。
おお、アメリカン・スナイパー、私も見たいと思っておりますた。

> ウリ旦那の方は「アメリカの視点だ。プロパガンダが入ってるところにガッガリ」と言ってました。でも、ウリから見ると、イーストウッドはスナイパー本人の目線を忠実に表現しようとしただけじゃ?と思ったニダ。単純な戦争美化映画ではなかったし、主人公の気持ちの変化を淡々と表現出来てたと思いますた。
私もイーストウッド監督はプロパガンダ堕ちたりしないと思いますわ。押し付けがましいとこもないし、正に淡々と描くのに徹してると思いますた。

> この映画も硫黄島やスナイパーの映画のように丁寧な感情描写がある映画なんでしょうね。ぜひ、見てみたいと思います。
硫黄島見てるのでしたら、こちらも是非。これを見たら、また硫黄島を見直したくなるかもしれませんぐ。


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  • 2015/08/24 21:47
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