プロフィール

yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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ユッカリーナのヨガ的雑記帳


2015/09/01 09:12 yuccalina

東田直樹『飛び跳ねる思考』~うまく話せなくても心には言葉

自閉症の青年、東田直樹さん(1992年生まれ)の著書を再び紹介したいと思います。彼は読み書きは出来ますが、人と会話が出来ません。自分の感情や考えを言葉に出して表現するのが苦手な為、普段からキーボードを使用してコミュニケーションをしているそうで、これまでの著書も、全てキーボードに向かって書いたのだそうです。

そんな彼の2014年の作品が『飛び跳ねる思考』、以下本書からの引用は赤字です。

『飛び跳ねる思考・会話のできない自閉症の僕が考えていること』 東田直樹 Amazon.co.jp商品情報
book3.jpg

表紙に写る姿のみならず、文面も大人になっていた東田さんですが、今回は帯の言葉からして、ズシンとくるものがありました。

たとえ、うまく話せなくても、心には言葉を持っているのです。

そして、

この社会の中に僕の居場所はないのです。
まるで広い海の中に浮かんでいる小舟のように、この世界を漂っています。


を読んだ私は、思わずトモローをいつもよりも強めに、ギュギューっと抱きしめてしまいました。

そう、私も大変だけど、本人が一番辛いんだよなー、と思うといたたまれない気持ちになります。では、私に出来ることは何なのでしょう。そのヒントも勿論書かれていました。

話ができなければ、人からは言葉がわからないと判断されます。そして、話しかけてもらえなかったり、自分とは違う世界の人のように見られたりしてしまいます。
僕にとって家族の声かけは、光そのものでした。言葉というものは、長い時間をかけて育てていくものではないでしょうか。
話しかけられれば、それに答えようとする気持ちは、障がいがあってもなくても、同じだという気がします。答えられないからこそ、尋ねてほしいのです。


トモローは発声のみで発語が無い状態なのですが、こちらから積極的に言葉かけをするようになってから、日々の生活がスムースになったのを思い出しました。そして、毎年新学期の面談では、「機嫌が良い時でも悪い時でも、沢山声を掛けてあげてください」と、先生方にお願いするようにしています。そのお蔭かどうかは分かりませんが、近年は「こちらの言ってる事をかなり理解出来てるようですね」と、先生から言われることが多くなりました。勿論、私だけ1人でベラベラ喋って、トモローが煩がってるのが分かる時も多々(特に最近は)ありますが、声を掛けずに放ったらかしにすると、やはり不安になってしまうようです。

そして、もう一つ私の実体験と言うか、私の目から見たトモローの姿と通じる話が、

自閉症の僕はいつも、視線に踊らされています。人に見られることが恐怖なのです。人は、刺すような視線で僕を見るからです。

です。以前、このブログでも書いたことがあるのですが(コチラ)、ファミレスで食事中に、トモローが急に怒り出したことがありました。どうもそれが、隣席の客にジロジロ見られたからでは?と思ってたんですね。ただ外を歩いているだけでも、奇妙な歩き方で、キャーキャーと奇声を上げてしまうこともありますから、「何なの?」と言う目で見られてしまう事は、かなり多いです。やはり、トモローもそうした周囲の反応を、敏感に察知しているのかもしれません。他人が見慣れないものを見て、ビックリしたり怪しむのは仕方ないことですが、私にはいつも心掛けていることがあります。

あれは、2ヵ月ほど前、夏休みに入る前の7月のことでした。家からスクールバスの停留所へは、徒歩で5分程度の距離ですが、近隣の小学校に通う子供達の通学路になっていて、毎朝、数人のグループで歩く子供達とすれ違うんですね。偶々その日は、トモローの機嫌が悪く、耳を塞いでウーウー唸りながら歩いていました。すると、前方からやってきた小1か2年生らしき女の子3人組の一人が、明らかにトモローを見ながら、結構大きな声で言ったのです。

「変なの~!」

トモローの肩に置いていた私の手に、身体の強張りが伝わってきました。そして私は反射的に、トモローの顔を覗き込み、大きな声でハッキリと

「変じゃないよ、トモローは変じゃないから、大丈夫だよ」

と言いながら肩を擦ると、トモローはスーッとバスの方へ吸い込まれるように歩いて行きました。私は女の子達の方は全く見てなかったので、彼女の反応は分かりません。ファミレスでの一件では、思わず隣りの客にガンつけてしまった私ですが、あれからまた学習したのです。周囲との緊張を高める言動を取るよりも、あくまでトモロー本人に対してどうするかを考えようと。ただ、人が何と言おうと、お母さんにとってはトモローは全然変じゃないよ、と伝えたのです。こうして、彼が気まずい雰囲気の時には、励ますようにしているのです。

日々の生活の中で、東田さんがどんな時に大変なのかは、勿論全てがトモローに当てはまる訳ではありませんが、色々と気付かされることが沢山ありました。彼の人としての成長と共に、これからの執筆活動にも期待したいと思います。


お読み頂きありがとうございました。
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テーマ:自閉症 - ジャンル:福祉・ボランティア

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Comment
 何か感動しました yuccalinaさんの行動 トモローくんを守るすてきなお母さんですね そのときのトモローくんどんなにほっとしてバスまで歩けたことか、、ほかの人の事よりトモローくんのこと、、最善の行動でしたね

うちも義母が少し症状がでてたとき、、外を3人で歩いるとみんなで歩くのが楽しくて大きな声で唱歌をいつも歌いだすんですけど、、道路で歌を大声で歌う母、、息子のだんなさんには恥ずかしさしかなく「やめろv-237」とか「恥ずかしいだろv-237≫とか どなったり、ひとりだけ離れて歩いたり、まったく子供だなーと思って 私は義母と一緒に歌を歌って歩くと義母はにこにこしてくれました、、ご近所の方とか出会っても「仲がいいわねー」とか言われた感じでした
ふぁる代さんへ

>  何か感動しました yuccalinaさんの行動 トモローくんを守るすてきなお母さんですね そのときのトモローくんどんなにほっとしてバスまで歩けたことか、、ほかの人の事よりトモローくんのこと、、最善の行動でしたね
結局、必要以上に人目を気にしないことが一番なのかなと、自分でも段々加減が分かってきました。勿論他人に手を出してしまう可能性がゼロじゃないので、気を付けなくてはいけないんですけど、他人の顔色を窺うことはやめようと。

> うちも義母が少し症状がでてたとき、、外を3人で歩いるとみんなで歩くのが楽しくて大きな声で唱歌をいつも歌いだすんですけど、、道路で歌を大声で歌う母、、息子のだんなさんには恥ずかしさしかなく「やめろv-237」とか「恥ずかしいだろv-237≫とか どなったり、ひとりだけ離れて歩いたり、まったく子供だなーと思って 私は義母と一緒に歌を歌って歩くと義母はにこにこしてくれました、、ご近所の方とか出会っても「仲がいいわねー」とか言われた感じでした
変ってしまった母親を受け入れられなかったダンナさんの気持ちも分からなくないですが、ふぁる代さんがついていて、お義母さんもきっと安心だったと思いますよ。街で時々見かけますが、認知症のご家族をみてらっしゃる方の対応も、とても勉強になっています。
ふぁる代様

横レスですが、一言だけ。ふぁる代様のお話に心が温まりました。お義母様とふぁる代様を見るご近所の方々の笑顔が浮かぶようです。お義母様ととても良い関係を築いてきたんでしょうね。素敵なお話をありがとうございましたm(__)m

yuccalina様
音楽学校にも自閉症の男の子がいるんですけど、よく叫ぶように挨拶して回るんですね。周囲の父兄は叫び声に圧倒されて曖昧にほほ笑むんですけど、ウリと下ココマが「こんにちは」と笑顔で返事したら、急に大人しくなったことがありますた。
挨拶の言葉が返ってこないことに疑問を感じて、答えを求める行為だったニカね・・・今はその子が挨拶して回るのを見かけないけど、ウリと下ココマには、今でも大きな声で叫ぶようにあいさつしますデヨ。一度、その光景をその子の親御さんが幸せそうに見てるのに気が付いて、心が痛みました。こんな些細なことでも特別な出来事なんだろうなぁと。今は親御さんにも挨拶するようにしてますミダ。

自閉症はまだまだ実態が世間に十分認知されてないし、yuccalina様もトモロー君もご苦労が多いことでしょう。ウリたちももっともっと理解する努力をしなきゃと思いますミダ。
Mansikka様ばんしお~!

> 音楽学校にも自閉症の男の子がいるんですけど、よく叫ぶように挨拶して回るんですね。周囲の父兄は叫び声に圧倒されて曖昧にほほ笑むんですけど、ウリと下ココマが「こんにちは」と笑顔で返事したら、急に大人しくなったことがありますた。

> 挨拶の言葉が返ってこないことに疑問を感じて、答えを求める行為だったニカね・・・今はその子が挨拶して回るのを見かけないけど、ウリと下ココマには、今でも大きな声で叫ぶようにあいさつしますデヨ。一度、その光景をその子の親御さんが幸せそうに見てるのに気が付いて、心が痛みました。こんな些細なことでも特別な出来事なんだろうなぁと。今は親御さんにも挨拶するようにしてますミダ。

同じ事を繰り返し言ったり、質問したりするのは、それで、気持ちを落ち着かせる意味があるんだそうです。時々電車の中で、駅名を連呼する自閉症の人を見かけます。
挨拶をして、受け入れてもらえたなら、その子はきっと安心したと思います。もし、親御さんが一緒の時でしたら、どう答えれば良いか、尋ねてみるのも良いかもしれませんぐ。質問には、お決まりの答えがあったりするらしいです。

> 自閉症はまだまだ実態が世間に十分認知されてないし、yuccalina様もトモロー君もご苦労が多いことでしょう。ウリたちももっともっと理解する努力をしなきゃと思いますミダ。
本当は周囲の人達に説明したい時もありますが、どうしてもトモローへの対応が最優先になるので、自閉症のことを伝える機会は中々ありませんぐ。こちらから言うのは押し付けがましいですし、逆に疑問を投げ掛けてもらった方が、助かる気がします。
yuccalina さん、こんにちは^^
東田直樹さんの文章は、ビッグイシューで何度か読んだことがありました。
よく分析されていて、表現力も豊かで驚きます。
「話しかけられれば、それに答えようとする気持ちは、障がいがあってもなくても、同じだ」というのは、とても納得できる感じがします。
人間の存在というのは、応答関係の中で成り立つものだなぁ、と最近つくづく思っています。
植物状態にある患者さんのリハビリでも、話しかけたり、身体を起き上がらせたりということが大事だ、という話を思い出しました。
Arianeさんへ

> 東田直樹さんの文章は、ビッグイシューで何度か読んだことがありました。
> よく分析されていて、表現力も豊かで驚きます。
そうなんです。ビッグイシューのエッセイも評判が良いらしいですね。自閉症の人は複数のことを考えて、話を纏めるのは、本来苦手な筈なのですが、きっと文章を書くことで考えたり、表現する力が培われているような気がします。中学時代の文章と比べて、成長が著しく、とても嬉しくなりました。

> 「話しかけられれば、それに答えようとする気持ちは、障がいがあってもなくても、同じだ」というのは、とても納得できる感じがします。
> 人間の存在というのは、応答関係の中で成り立つものだなぁ、と最近つくづく思っています。
> 植物状態にある患者さんのリハビリでも、話しかけたり、身体を起き上がらせたりということが大事だ、という話を思い出しました。
そうですね。例え難しくても最初からコミュニケーションを諦められては、何も変わりません。何かしら投げ掛けることの大切さを、東田さんから教えてもらいました。
こんばんは

 この記事を読んでさっそく図書館へ行ってきました。大きな本屋は札幌まで出かけなければならず、年寄りには図書館がとても助かります。
 「刺すような視線」は読む側の胸に鋭く突き刺さります。短い文章だけに刺さってくるスピードも痛さも大きいです。
 まだ、全部を読んでいませんが、特に自然の描写が新鮮と言おうか、凄いと言おうか。私には思いもつかない感性と、表現です。寝ながら読むには失礼と思うくらいですが、この後、残りを読みます。
 ご紹介ありがとうございました。
mikitaka08さんへ

>  この記事を読んでさっそく図書館へ行ってきました。大きな本屋は札幌まで出かけなければならず、年寄りには図書館がとても助かります。
早速お読みいただいたようで、ありがとうございます。東田さんの本は図書館にも置いてあるのですね。

>  「刺すような視線」は読む側の胸に鋭く突き刺さります。短い文章だけに刺さってくるスピードも痛さも大きいです。
>  まだ、全部を読んでいませんが、特に自然の描写が新鮮と言おうか、凄いと言おうか。私には思いもつかない感性と、表現です。寝ながら読むには失礼と思うくらいですが、この後、残りを読みます。
>  ご紹介ありがとうございました。

何かを見る時に部分から入って行くという、視覚的な特徴は、自閉症者の殆どにあるみたいです。トモローも乳幼児の頃からベビーカーの回転する車輪を覗き込むことが多かったです。色んな感じ方を分かって頂くだけでも、とても有り難いです。


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