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yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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ユッカリーナのヨガ的雑記帳


2015/04/13 08:45 yuccalina

The BLUES Movie Projectその(5)~『デヴィルズ・ファイア』と18禁の悪魔

『The BLUES Movie Project』はマーティン・スコセッシ総指揮の元、アメリカのTV放送用に製作された作品です。2003年をブルース生誕100周年とし、アメリカ音楽の歴史として後世に残すために企画されました。

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マディ・ウォーターズ、BBキング 他

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7枚組DVDボックスを順に紹介する5回目ですが、これまでのエントリーは以下の通り。

その(1)~ヴェンダースの『ソウル・オブ・マン』
その(2)~スコセッシ『フィール・ライク・ゴーイング・ホーム』~ブルーズとアフリカを結ぶファイフの音色
その(3)~『レッド・ホワイト&ブルース』~ブルーズからブリティッシュロックを生み出した人々のお話
その(4)~ブルーズ同窓会@『ロード・トゥ・メンフィス』

先日はマーティン・スコセッシ繋がりと言うこともあって『ラスト・ワルツ』を挟みましたが、本筋に戻って参りましたよ。今回の『デヴィルズ・ファイア』はこれまでと少々違った趣向で、ドラマ仕立てです。チャールズ・バーネット監督は7人の内唯一のアフリカ系でミシシッピー出身。本人の経験も影響してるであろうと想像が出来ます。

1956年、北部で育った11歳の黒人少年ジュニアが、洗礼を受けるため、両親の故郷である南部の街にやって来ます。出迎えに来た叔父のバディは、教会へ連れていく代わりに、彼にブルースの何たるかを教えるため、あちこち連れ回し、言うなればブルースの洗礼を受けさせるんですね。そのドラマの中に、実際の古い映像が沢山散りばめられています。

これまでの作品で既出のアーティスト多数。ビッグ・ビル・ブルーンジー、マディ・ウォーターズ、サンハウス、ジョン・リー・フッカー等の中でも私が一番印象深かったのが、シスター・ロゼッタ・サープでした。ゴスペルソング『Up Above My Head』の弾き語りヴァージョンです。



彼女は『レッド・ホワイト&ブルース』で初めて知って、聖歌隊?をバックにギターをかき鳴らして歌う姿が衝撃的だったんですが、今回もメチャ格好良かったんです。

で、彼女のことをググってみました。シスターを名乗るのは、教会の聖歌隊出身だからで、素行がよろしくなかったとは、レッド・ホワイトの中でも語られていました。ただ、男遊びが酷かったとは、40代半ば~50くらい?と思える映像を見ても、あまりピンとは来なかった。しかし、本作の中ではもっと若い頃の写真が出てましたので、ネット上で探してみたんです。映画の中のとは違うんですが、これなんか中々チャーミングですね。

srs1.jpg

なるほど、イケイケ時代のロゼッタ姐さんは、目ヂカラの強い肉食系女子な感じしますわあ。

そして、英語版Wikipediaによれば、彼女は初めてゴスペルを大衆音楽に持ち込んだアーティストであり、リトル・リチャード、ジョニー・キャッシュ、エルヴィス・プレスリーとジェリー・リー・ルイスに影響を与え、ロックンロールのゴッドマザーと呼ばれた、とあります。

とまあ、音楽的影響力はかなりのもんだったのですね。ついでに、どこで読んだかうろ覚えですが、彼女が60年代にイギリスに渡ってテレビ出演したお陰で、イギリスにエレキ女子が増えたとか何とか。

さて、タイトルからも想像が着くのですが、映画の中で描かれているのは、ブルーズが敬虔なキリスト教徒から忌み嫌われていたこと。ブルースが好きな叔父バディはろくでなし男であり、ブルース自体も下品で下等な音楽であると。『フィール・ライク・ゴーイング・ホーム』で、案内役のコリー・ハリスが「祖母はジョン・リー・フッカーを裏木戸を叩く悪魔の音楽と言った」と言ってたのと符合します。

それはニューオーリンズを中心に悪魔崇拝(ヴードゥー教)の文化が南部に伝わったことも、多少関係はあるのでしょうが、別にそれでブルース=悪魔崇拝の音楽ってことではないですよね。人間の中の悪魔性が出てるってことでしょうか。自分の中のドロドロとしたものを吐き出す音楽と言うこと。だからこそ、人を惹き付ける。ろくでなし男だろうが、ふしだらな女だろうが、その暗闇の中に見える一筋の光のようなものがあるのではないか。『フィール・ライク~』で、タージ・マハールが、サンハウスはろくでなしでありながら、説教じみたことを言う、その矛盾したところに魅力がある、みたいなことを言ってましたが、つまりはそれは、良いところも悪いところも、全部引っ括めての人間らしさなのかもしれません。

本作にもロバート・ジョンソンがギターが上手くなる代わりに四辻で悪魔に魂を売った逸話が出てきましたが、私はこう思いました。ブルースが邪悪な音楽と呼ばれた時代の話なら、悪魔に魂を売ったとは、ブルースをやることとイコール、生涯ブルーズマン宣言ってことかもなと。

ブルーズには下ネタの歌詞が多く、SMや同性愛なんでもごされだったことが、邪悪と呼ばれる原因の一つであり、ジュニアはブルースの歌詞から女性の体の部位を覚えた、なんてくだりもありましたが、そんなオゲレツソングの代表格として名前が上げられたのが、ルシール・ボーガンです。



『Shave 'em Dry』の歌詞は、私の乳首はどーのこーの言うてるそうですが、彼女は春をひさいでたとの噂も。叔父バディが女性アーティスト達のことを「皆悪女で、地を這うこともいとわない」なんて言う場面もありました。

また、ミシシッピ・ジョン・ハートの『Candy Man』もかなりスケベな歌です



ご婦人方はキャンディに夢中。9インチのキャンディ棒だの、シスターも寝床に持っていくだの言うたら、なんのことか、大体分かりますよね。つまりはそーゆー歌なんです。そう言えば、ロバート・ジョンソンの歌にも「レモンを絞って云々」というヤラシイ歌がありましたが、スケベ歌がブルースの一面であるのは明らか。

いやあ、『ロード・トゥ・メンフィス』のボビー・ラッシュなんて、まだまだ甘かったってことですね。

と言うわけで、私的にはドラマの部分にわざとらしさを感じなくもなかったですが、これまでとは違った切り口で、7本の中では良いアクセントになっている印象でした。

その(5)に続く


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タグ: R&B ソウル

テーマ:ブルース・BLUES - ジャンル:音楽

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Comment
「サンハウスはろくでなしでありながら、説教じみたことを言う」って、まんま、「しくじり先生」じゃないですか。あえてしくじって見せてるようなお下劣な歌にも人と人とのコミュニケーションってことでは、深い意味があるように思えてきますね~。
ジオヤーさんへ

> 「サンハウスはろくでなしでありながら、説教じみたことを言う」って、まんま、「しくじり先生」じゃないですか。あえてしくじって見せてるようなお下劣な歌にも人と人とのコミュニケーションってことでは、深い意味があるように思えてきますね~。

言われてみればそうですね。サンハウスは確か4,5回結婚してるので、男女関係もしくじりの連続だったみたいです。ブルーズメンはしくじった分だけ魅力的かもしれません。と言うか、人間ってもの自体、いかに沢山持ってるかだけでなく、足りない部分が魅力だったりするんですよね。
このロゼッタ姐さん、歌声がカッコいいニダねぇ。こういうのを聞いたあとにリーザのお色気ブルースEXを見ると、やっぱ違和感があるニダねw
ロゼッタ姐さんの若いころのお写真は美人さんなんです。男遊びが酷かったってのも頷けるニダ。

実はウリの子もギターを習っていて、我が家にはエレキもアコースティックも両方あります。ココマが小学生のころはバンドをやってて卒業式で演奏しましたが、誰もボーカルやりたがらず、ボーカルはクラスメート全員になってますたw 人前で歌うのは恥ずかしいらしさ。
Mansikka様こんしお!

> このロゼッタ姐さん、歌声がカッコいいニダねぇ。こういうのを聞いたあとにリーザのお色気ブルースEXを見ると、やっぱ違和感があるニダねw
そうなんです。単純にお色気だけでなく、酸いも甘いも噛み分けた重みがないと、私はブルースを感じませんぐwww

> ロゼッタ姐さんの若いころのお写真は美人さんなんです。男遊びが酷かったってのも頷けるニダ。
私もこの写真見て納得しますたわ。

> 実はウリの子もギターを習っていて、我が家にはエレキもアコースティックも両方あります。ココマが小学生のころはバンドをやってて卒業式で演奏しましたが、誰もボーカルやりたがらず、ボーカルはクラスメート全員になってますたw 人前で歌うのは恥ずかしいらしさ。
確かに、楽器を演奏するよりも歌の方がより生身の自分が出る感じしますね。だから、人前で歌うのって、難しいと思いますわ。


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