プロフィール

yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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ユッカリーナのヨガ的雑記帳


2015/04/02 11:30 yuccalina

『ラスト・ワルツ』でちょっと寄り道~ミステリー列車、転がる石とロードムーヴィー

何故か私は『ラスト・ワルツ』のビデオを持っていました。マーティン・スコセッシ監督が好きなわけでもない上に、ザ・バンドにも特に興味がなかったのに。私は90年代にニール・ヤングのレコードやビデオを集めてた時期がありまして、丁度その頃に『ラスト・ワルツ』の廉価版VHSが1980円で出回ってたんですね。

つまり、ニール・ヤングが見たくて買ったので、彼が出てるところ以外はまともに見てなかった。ザ・バンドで覚えてたのは、「ロビー・ロバートソンって中々男前だなー」と思ったくらい。それが昨今、今は無きバラカン・モーニングを毎朝聴いてたり、ビートクラブやウッドストックを見たり等々してるうちに、ザ・バンドを真面目に聴いとかないかんなー、とずっと思っておりました。

丁度今、マーティン・スコセッシ総指揮の『The BLUES Movie Project』を見ているところでもあり、良いタミイングかな、とも思いました。私は一時期スワンプ系好きの友達の影響で、ボビー・チャールズ(記事はコチラ)のアルバムも、リック・ダンコのソロまで持っていたのに、なじぇかザ・バンドだけ持っていなかったのは、本当に不思議と言うか、迂闊だったなー。と思いつつも、自分の人生がやっとブルースに追い付いてきて、理解しつつある今が、ザ・バンドの一番の聴き時であり、ラスト・ワルツを見るべきタイミングだったのでしょう。

つー訳で、いつものように前置きが長くなりましたが、万を辞して『ラスト・ワルツ』を見直しました。


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そして、見事にクギヅケになりました~!映画はコンサートの最後の曲『ドント・ドゥ・イット』で幕を開けてザ・バンドのメンバー紹介、そこからラスト・ワルツのテーマ曲に繋がってゲストの名前が流れて行きます。




このくだりだけでも、何だかすごーーーーく格好良いぞ~!

冒頭、玉突きするリック・ダンコの

Cut throat(ってノド切りか?怖いぞ~!)

と言う声がセクシーで萌え~!だし、

ラストワルツのテーマも何気に良い曲ではありませんか。ドラマーのレヴォン・ヘルムがバンジョー、ベーシスト、リック・ダンコがフィドル(ヴァイオリン)と言うマルチな才能も、本編から垣間見た後のアウトロでは、更に胸に染み入る展開になるのですわ。

インタヴューに答えるロビーの後ろに、カナダの国旗があったのね、とか、これまで全く気が付かなかったことにも目が行きつつ、ステイプル・シンガーズとの『ザ・ウェイト』はオリジナルより好きかも~!だし、「何でこの人はこんなにデブなんだ?」と最初は見かけだけで、ヴァン・モリソンを受け付けなかったワタクシの暗黒時代とか、様々な思いが錯綜する中で、ここはやはり、マーティン・スコセッシ監督の偉大なお仕事、『BLUES Movie Project』とリンクするお話にしぼろうかと思います。曲の間に入るインタビューにしても、あのDVDボックスを(まだ半分ですが)見ていたからこそ、なるほどと頷けたところがあったりしたんですよ。

西ヘレナ(レヴォン・ヘルムの故郷)で、ザ・バンドが出会った伝説のブルースハープ奏者、その名はサニー・ボーイ・ウィリアムソン(二世)。女友達のところに連れてってもらい、食事やお酒をご馳走になったとか。サニー・ボーイがハーモニカを吹きながらバケツに血を吐いていたこと。その数ヵ月後に彼のマネージャーから訃報を受け取ったこと。サニー・ボーイを「ビッグダディ」と呼び、良くしてくれたことを懐かしそうに話すメンバー達を見て、私はおやっ?と思いました。

『レッド・ホワイト&ブルース』では、ヤードバーズ時代にウィリアムソンと共演したエリック・クラプトンが、「思い出すとぞっとする。彼の熱心なファンでなくて良かった」とか、言うてましたから。サニー・ボーイ=性格悪い、と私は勝手に思い込んでましたが、病を患い死を前にして後輩であるザ・バンドに、思いやりを見せたのでしょうか。

その後で、ポール・バタフィールドがブルースハープを片手に熱唱したのが『ミステリー・トレイン』。



エルヴィス・プレスリーで有名な曲ですが、作者のジュニア・パーカーがブルースハープ奏者でもあり、サニー・ボーイのフォロワーでもあった訳ですね。

そう言えば、エルヴィスを育てたサム・フィリップスは、黒人が書いた曲を白人アーティストに歌わせることで、黒人音楽の素晴らしさを広めていったと『ロード・トゥ・メンフィス』の中でアイク・ターナーが語っていましたっけ。ミステリー・トレインもその一つだったのです。

ポール・バタフィールドの後、ゲストはマディ・ウォーターズ、エリック・クラプトンと続きますが、ウィリアムソンの話が出た後にクラプトンと言うのは、スコセッシ監督が意識的に入れたのか、ちょっと気になりますね。基本、インタビュー内容は、その後に出てくるアーティストに関係のある話題になってます。

16年前、とあるアーティストから、音楽の道に誘われた話の次が、ロニー・ホーキンスだったり。ニューヨークのティン・パン・アレーで、素晴らしいソングライター達と出会った話の後がニール・ダイヤモンド、と言った具合。ソングライターはかつて「トーテンポールの一番下」で、目立たない存在だったが、60年代にシンガーソングライターのブームが来て世界が変わった、なんてのも、実に興味深い話でしたが、一つだけ引っ掛かったのは、女遊びの話にお茶を濁してからのジョニ・ミッチェルですかね。恋多き女性としても有名なジョニですが、ザ・バンドの誰かと付き合ってたことでもあるんでしょうか。いずれにせよ、この展開、私には良い印象ではありませんでした。

さて、ここで話をミステリー・トレインに戻したいと思います。それは、私の頭には直ぐ同タイトルの映画が浮かんできたからです。ジム・ジャームッシュ監督、永瀬正敏、工藤由貴主演のロードムーヴィーで、舞台はメンフィス、エルヴィスの故郷にやってきた日本人カップルのお話。



ジャームッシュ監督と言えば、私は『ストレンジャー・イン・パラダイス』も見ましたけど、そこで印象的に使われてたのがスクリーミン・J・ホーキンスの『プット・ア・スペル・オン・ユー』。『ミステリー・トレイン』にはそのホーキンスがホテルのフロント役で出演していたり、ルーファス・トーマスが通りがかりの老人で出てきたりと、ブルーズの香りがプンプンでした。また、ジャームッシュのお仲間と言えるヴィム・ヴェンダースにしても、ブルースとロードムーヴィーって、凄く良い組合せですよね?

で、思い出したのが『ロード・トゥ・メンフィス』でのボビー・ラッシュなんです。1年の大半をバスでツアーに出て、アメリカ全土を回る暮らし。かつてのBBキングもそうでした。『ソウル・オブ・マン』に登場したスキップ・ジェイムスは、一ヶ所に留まっていられないから、スキップの愛称が付いたと語られ、『フィール・ライク・ゴーイング・ホーム』では、ジョニー・シャインズが「腰を落ち着けず、いろんなところを旅して回りたかった」「ロバート・ジョンソンは行き先も決めずに、フラッと汽車に乗る様な男だった」などと言う話も出てきました。マディ・ウォーターズの転がる石だって、つまりはそう言うことですよね?



そこで、私はブルーズメンとロマ(=ジプシー)の姿が重なったんですね。音楽と旅が切り離せないことでは、旧大陸と新大陸に差はありません。ロックにおいてジプシーと言う言葉(バンド・オブ・ジプシーズ等)が、好意的に使われてるのではないか?と言う話は、以前コチラでしましたが、それは、つまり旅への憧れのなせる技なのかもしれません。

そう言えば『アケイディアの流木』の歌詞にgypsy tail wind(ジプシーの追い風)が出てきました。カナダのフランス系移民アケイディア人が土地を追われ、アメリカ南部ルイジアナに辿り着く旅の歌に、同じ流浪の民であるプシーと言うワードを用いたのは、共鳴するところがあったからでしょうが、作者のロビー・ロバートソンが実はユダヤ人の血を引いてる、と言うのも非常に興味深いところ。

なーんてことを考えながら『ラスト・ワルツ』を思いを馳せてみる。あちこちで散々書かれてますが、解散の原因は、ロビー・ロバートソンが1人、ツアーに出たくなくなって、その他のメンバーと対立してたそうですね。 旅がブルースの住み家であるならば、「ツアーに出たくない」が一つの時代に終止符を打つ理由として、かなり重い気がしたんです。そして、この『ラストワルツ』は、もしかすると(ホークス時代を含め)ザ・バンドの16年間の旅の記録として、作られたものなのかも?と思ったのでした。

と言ったところで、最後はこの解散コンサート自体について書いておきましょう。勿論映画では時間内に収める為に、収録曲の取捨選択が行われ、その上選ばれた曲でも一部カットされたり、音源にオーヴァーダビングで加工されていたりしています。後にリリースされた完全版と呼ばれるCDセットにも、漏れている曲があったり曲順が違ったりしてたというのは、Amazonのレビューを読んで知りました。しかし、現在YouTubeで試聴出来る(しかもオフィシャルってなってますね)下記の動画は、正真正銘の完全版みたいですね?

The Band - The Last Waltz - Full Concert - 11/25/76 - Winterland (OFFICIAL)

約4時間20分ですが、最近私はこれを流しながら家事をすることが多いです。ボビー・チャールズがドクター・ジョンと共演した『ダウン・サウス・イン・ニューオーリンズ』が良いわあ。



ギターを弾くドクター・ジョンって、私は初めて見たかもしれません。映画の音楽と比べ明らかに粗さが目立つ演奏ですけど、そこがまた良いですわ。ザ・バンドについては今後も取り上げることになりそうですし、上記のDVD特別編に手を出すのも、最早時間の問題かなー?ロビーとスコセッシ監督が、映画を見ながら解説(対談?)してるとか?非常に見たいですわー!


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テーマ:洋楽ロック - ジャンル:音楽

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Comment
こんばんは。

>ギターを弾くドクター・ジョンって、私は初めて見たかもしれません。

彼がギターを弾くなんて想像すらしたことがありません(笑)。

>ステイプル・シンガーズとの『ザ・ウェイト』はオリジナルより好きかも~!

僕もこのバージョン大好きです。
オリジナルよりいいと思います。

ヴァン・モリソンもこのライブ版のキャラバン好きです。
オリジナルより好きです。
バニーマンさんへ

> >ギターを弾くドクター・ジョンって、私は初めて見たかもしれません。
>
> 彼がギターを弾くなんて想像すらしたことがありません(笑)。


やっぱりピアニストのイメージが強いですよね。

> >ステイプル・シンガーズとの『ザ・ウェイト』はオリジナルより好きかも~!
>
> 僕もこのバージョン大好きです。
> オリジナルよりいいと思います。

リック・ダンコがステイプル・シンガーに負けじと頑張ってる感じがまた微笑ましかったです。

> ヴァン・モリソンもこのライブ版のキャラバン好きです。
> オリジナルより好きです。

名演が沢山ありますね。
こんばんは。

旅とブルースとロマの関係っていいですね~。何か自由に生きてるって感じで憧れます。

バンドは、名前だけ知ってるって期間が長かったですかね~、やはり好んで聴くようになったのは、yuccalinaさんと同じで大分後年になってから。カナダ出身ってのが関係するのかもしれないですけど、他のアメリカのルーツ音楽をやる人達とはちょっと違う感じがあって、その微妙な違いがこのバンドの良さになってると思うんですけど、でも、その微妙な違いを感じれるようになるには、いろんな音楽を聴いてからでないと無理なのでは?、なんてこと思いました。
ジオヤーさんへ

> 旅とブルースとロマの関係っていいですね~。何か自由に生きてるって感じで憧れます。
音楽自体が人の心を自由するものですから、音楽家が旅人なのは当然かもしれませんね。


> バンドは、名前だけ知ってるって期間が長かったですかね~、やはり好んで聴くようになったのは、yuccalinaさんと同じで大分後年になってから。カナダ出身ってのが関係するのかもしれないですけど、他のアメリカのルーツ音楽をやる人達とはちょっと違う感じがあって、その微妙な違いがこのバンドの良さになってると思うんですけど、でも、その微妙な違いを感じれるようになるには、いろんな音楽を聴いてからでないと無理なのでは?、なんてこと思いました。

確かにカナダというのはイマイチピンと来なかったです。また、若い頃にはもっとスピードとか破壊力をロックに求めてましたから、ザ・バンドに興味がわかなかったのではないかと。人間は若い頃は大きな変化を求め、年を取ると微妙な変化を楽しめるようになるそうですよ。
今日は♪ラストワルツ、大昔に友人の家で見てイマイチ、ピンと来なくて………そのままに(^_^;)
リズムの遅さが若い自分にはダメだったようで……

今、まさに無性に見たくなってきたところです!!

ゆきまロックさんへ

> 今日は♪ラストワルツ、大昔に友人の家で見てイマイチ、ピンと来なくて………そのままに(^_^;)
> リズムの遅さが若い自分にはダメだったようで……
>
> 今、まさに無性に見たくなってきたところです!!

そうそう、私も若い頃はゆっくり目な曲にイライラしたりしてましたよ。ブルーズの間を楽しめるようになってからは、緩いの大好物になってきました。ラストワルツ、良いですよ~!
yuccalina様 こんばんは

ザ・バンドを聴きはじめたとはめでたい!
自分も後追いで
(ディランの地下室を切っ掛けとして)
ラストワルツは最後に聴きました。

大団円って感じでいいですよね。

しかし個人的にはファーストとセカンドが
好きなので機会がありましたら是非。
GAOHEWGIIさんへ

> ザ・バンドを聴きはじめたとはめでたい!
> 自分も後追いで
> (ディランの地下室を切っ掛けとして)
> ラストワルツは最後に聴きました。
>
> 大団円って感じでいいですよね。
>
> しかし個人的にはファーストとセカンドが
> 好きなので機会がありましたら是非。


コメントありがとうございます。
そうですねえ、やっとたどり着いたって感じでしょうかね。
フルコンサート動画ですと、殆どの曲が聴けるので、改めてスタジオ盤をアルバム単位で聴いていこうと思ってるところです。


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