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yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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ユッカリーナのヨガ的雑記帳


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2015/03/16 08:15 yuccalina

The BLUES Movie Projectその(4)~ブルーズ同窓会@『ロード・トゥ・メンフィス』

マーティン・スコセッシ総指揮の『The BLUES Movie Project』はブルースをアメリカ音楽の歴史として、後世に残すために企画され、アメリカのテレビで放送された作品です。7枚組DVDボックスを順に紹介する4回目です。

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(2011/12/21)
マディ・ウォーターズ、BBキング 他

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参考までに、これまでのエントリーは以下の通り。

その(1)~ヴェンダースの『ソウル・オブ・マン』
その(2)~スコセッシ『フィール・ライク・ゴーイング・ホーム』~ブルーズとアフリカを結ぶファイフの音色
その(3)~『レッド・ホワイト&ブルース』~ブルーズからブリティッシュロックを生み出した人々のお話

今回は『ロード・トゥ・メンフィス』のタイトルバックまでのくだりの濃さに、ちょっとドギマギ。もしも本作が第一回だったら、怖気付いてしまったかもしれません。主要な登場人物は、B.B.キング、アイク・ターナー、リトル・ミルトン、ロスコ・ゴードン、そしてオープニングからド派手に登場したのがボビー・ラッシュなんです。ラッシュは当時66歳にして、ギラギラした現役感が強い。それもそのはず、かつて、ラジオで人気になったアーティスト達がクラブで演奏して回る"チトリン・サーキット"の匂いを伝えるアーティストとして、クローズアップされていたのです。大型バスを3台所有し、運転も整備も自分で出来ると胸を張るラッシュ。土曜の夜は女の為にブルーズを歌い、日曜の朝はネクタイをしめて教会で神にゴスペルを捧げるというラッシュ。No music, no lifeとは、今では気軽に使われるフレーズですけど、ホントは彼みたいな人しか、言ったらイカンのでは?と思いました。巡業先のクラブで歌うシーンはどれも濃ゆいです。派手な衣装に、ちょっとシモっぽい歌、お尻を振るセクシーな女性ダンサー。私的にはブルーズと言うよりはソウルやファンクに近いイメージでしたけど。



で、本作のハイライトは、2002年にメンフィスで開催されたWCハンディ賞という、ブルースアワードの授賞式です。そこに、出演するためにメンフィスに帰ってきたブルーズメンが、B.B.キング達なんですね。50~60年代の彼等の活躍ぶりなどを紹介しつつ、其々を姿をカメラが追っているのです。その中では年齢的に若く(当時の)知名度も低かったラッシュだけ、ミョーにギラギラしていたのだと、後で納得。ちなみに、WCハンディとは、『セントルイス・ブルース』の作者であり、初めてブルーズ音楽のスコアを残したアーティストです。そもそも、彼がブルーズと出合ったのが1903年と言われている為、2003年をブルーズ生誕100年として、このBLUESプロジェクトが企画されたのですね。そして、監督のリチャード・ピアスは『ウッドストック』の撮影をしたカメラマンでもあり、ドキュメンタリー映画を多数撮っているそうです。



さて、登場したブルーズメンでも、私が一番惹きつけられたのは、やはりBBです。ミシシッピーでのコンサート会場で、ファン達と気さくにお喋りしたり、ハグしたり、メンフィスの黒人専門ラジオ局WDIAで昔話に花を咲かせたり、どれを見ても人間的な懐の大きさを感じさせる。「ご自分の音楽に何を望みますか?」との質問に、

「最高の演奏をすることと、沢山の人に聴いてもらうこと」

BBの強くて素直な気持ちが伝わって来て、何だかウルウル。

そこで飛び出してきた『The Thrill is Gone』のイントロに、涙腺が崩壊致しました。



I'm Free
私は自由だ


この一言がこれ程リアルにズシッと来るアーティストがいるのかしら?と。

そら、犬井ヒロシ(サバンナ高橋)のブルースネタ「自由だ~!」と比べものになる訳ないです。そんなの当たり前。BBは綿畑での苦労もさらっと笑顔でお話する、だからこそリアリティを感じたんです。歌の内容は別れた女に語りかけてるんでしょうけど、上記その(2)『フィール・ライク・ゴーイング・ホーム』で出てきた話を思い出しました。

古いブルースに出てくる悪い女とは、本当は(白人の)ボスを歌ったものが多い、とかで、文句を言いたくても言えない相手を女性にすり替えて歌詞にしたりしたそうです。なので、私は自由だ!と歌う時、単に女性からの束縛だけを意味しているのどうかは、本人にしか分からないのもしれませんね。

BBとは対称的だったのが、ロスコー・ゴードン。私は今回初めて知りました。15歳でキャデラックを買ったくらい売れたそうですが、ブルースが下火になった60年代に音楽界を去り、ニューヨークでクリーニング屋をしてたそうです。ロスコーのズンジャ、ズンジャと後ノリの演奏スタイルが、ジャマイカ音楽のパイオニアの一人であるピアニスト、セオフィラス・ベックフォード(1935~2001)に影響を与え、スカとの関連性も指摘されてるとか。




ベックフォードの話は本編には出てきませんが、私はこのての話が大好きなんで、テンション上がりますわ~!50年代のジャマイカで、メンフィスの黒人専門局WDIAを聴いてた人々がいたんでしょうね。アメリカの黒人音楽と、ジャマイカ音楽を繋ぐ糸は、こんなところにあったのかと嬉しくなりましたが、ブルーズ同窓会に集まった面々で、一番地味な服装で大人しくしてた感じのロスコーでしたが、そんな彼が、街中やクラブでの演奏シーンでは、別人みたいにキラキラ輝いてるのがとても印象的でした。

そして、メンフィスと言えば、エルヴィス・プレスリーの故郷でもある訳ですが、彼を世に送り出したサン・レコードのサム・フィリップスも登場しました。彼を恩人と慕う、アイク・ターナーとの再会。アイクと言えば、私には「ヨメのティナを殴ってたDV夫」のイメージが強すぎて、あまり好きじゃなかったんですけど、本作を見てちょっと思うところがありました。

歌もピアノも素敵だったんですよ。でも、フィリップスがエルヴィスの話をすると、嫉妬したように「黒人のモノマネだ」と言ってしまったり、フィリップスには決して感じなかったが、差別を受けて白人の顔色を伺ってた話をしてた時のアイク・ターナーが、ちょっと怯えるような目をしていた気がしたんです。勿論、あくまで私がそう感じたことですけど、彼は気が弱くて傷つきやすかったが為に、ティナを暴力で支配しようとしたのかしら?威圧的な喋り方をする割には、その奥では自分に自信がなかったのかもしれない。

とか何とか、音楽とは関係ない話になってしまいましたが、「虐げられた人間が、逆に誰かを虐げる権利があると勘違いしてしまう」という過ちは、フランクルの『夜と霧』で言及されていましたっけ。人間の弱さがそうさせるのでは、とアイク・ターナーの表情を見ながら、ふと思ったのでした。

で、話をフィリップスに移しましょう。エルヴィスを世に送り出す4年前に、ビール通り(Beale Street)で数多くの黒人アーティスト達の音楽を録音していた。その中からハウリン・ウルフを発見し、BBキング、アイク・ターナー、ロスコー・ゴードン、リトル・ミルトン他数多くのブルーズメンのレコードを出したことと、エルヴィスを切り離す事は出来ない。ロック史にとってもかなり重要な出来事であったと。

ちなみに、ビール通 はメンフィスの繁華街で、かつては黒人文化の中心地として、南部で一番栄えていたそうです。ブルーズやジャズを楽しめるクラブが沢山あって、休日にはアマチュアのコンテストで、音楽、タップダンス、コントなどの娯楽で溢れていた。ルーファス・トーマス曰く、

「私は白人に言ったものだ。土曜の夜のビール・ストリートを体験したら、白人でいるのが嫌になるだろう。」

ってなくらいに、楽しい街だったそうですよ。

私はこの『The BLUES Movie Project』を見ながら、記録し保存することの大切さ実感しています。『フィール・ライク・ゴーイング・ホーム』では、撮影後にファイフ(笛)のオサ・ターナーが亡くなってましたが、今回は最後の方でロスコー・ゴードンの葬儀(2002年7月)が写し出されました。インタヴューに登場したルーファス・トーマスが2001年、サム・フィリップス2003年、リトル・ミルトン2005年、そしてアイク・ターナーが2007年に其々亡くなっています。彼等の演奏やインタヴュー、貴重なものを沢山見る事が出来て、本当に良かったと思いました。

と言ったところで、最後にオマケです。ボーナスVTR=アウトテイク集(これが毎回楽しみ!)に、何とデヴィッド・ヨハンセンが出てきました。ヒューバート・サムリンと共演した『Smokestack Lighting』です。



サムリンはハウリン・ウルフの古い映像に映ってたかもしれませんが、インタビューは受けてませんでしたし名前すら出てきません。一方のヨハンセンも本編には全然登場しないので、どういう経緯のライヴ映像なのか知りたいですわ。ご存知の方、教えて下さいませ。

それにしても、あのニューヨーク・ドールズの彼が~?まさかこんなところでヨハンセンの顔を見るとは、思いもよらなかったので、テンション上がりまくりでした。かっこいいオヤジになってて、なんだか嬉しいっす~。

その(5)に続く。


お読み頂きありがとうございました。
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Comment
今晩は♪
ついにそこが来ましたか!

BBは心が疲れてるときに
ハウリンはイラついてるときに
バディはドツボの時に聴いてたりします(笑)

そして、ヨハンソン、そうなんですよね!自分も結構最近になって知りました(^_^;)

って、ボーナス見てないので羨ましいっす!
順番にボックスの消化が進んでいますね!

相変わらずBBの余裕たっぷりの歌声はスゴイですね。
もちろんギターも!

ヨハンセンがここで出てくるとは、確かに予想すらできないです。
ブルースはみんなの基本だったんですね。
このシリーズ、毎回楽しみにしてますが、登場するアーティスト、どの人も興味深いです。

ボビー・ラッシュ、このお下品さ良いですね~、皆心から楽しんでる様子ですし、でも、もし、この場にいたら、この濃い世界にはさすがに気後れしてしまいそうですけど。

B.B.キングは、現存する最後の最も偉大なポピュラーアーティストですよね~、もし亡くなられてしまわれた時は、アメリカは国葬にするべきです。まったく衰えない歌声と、少ない音数で語り尽くすギターは驚異的、「The Thrill is Gone」、私も感動です。でも、サバンナと比べちゃいますか~(爆)

その昔、黒人アーティストが白人に取り入る方法としての有効な手段は、コミカルさを装うことだったそうですが、ロスコー・ゴードンもそんなアーティストの一人だったようにこの映像から窺えますね。ここに出てくるルーファス・トーマスもそうですし、ルイ・アームストロングもそういったスタイルを取ったアーティストになるようです。

セオフィラス・ベックフォードは、ジャマイカに渡ったブルースってことで、なるほどと感心しました。これが後に、スカ、ロックステディ、レゲエへと繋がっていくことになるんですね~。

デヴィッド・ヨハンセンの堂に入ったブルースの歌い振りも素晴らしい。ハウリン・ウルフをここまで歌えてしまう白人というのも他に知りませんが、この人、ブルースマンとして新たに成功しそうです。
ゆきまロックさんへ

> ついにそこが来ましたか!

はい~、来ました~!
失礼な事書かないように、1本をかなりじっくり時間をかけて見ています。

> ハウリンはイラついてるときに
確かに、あの低音にはイライラをスッキリさせる作用がありそうです。

> そして、ヨハンソン、そうなんですよね!自分も結構最近になって知りました(^_^;)
>
> って、ボーナス見てないので羨ましいっす!

私は今まで全然知りませんでした。このDVDボックスはホント、色んな発見があって買って良かったと思ってます。

バニーマンさんへ

> 順番にボックスの消化が進んでいますね!
消化と言うか吸収すべきことが多すぎて、かなり時間をかけてじっくり見て、記事を書くのにも時間をかけております。

> 相変わらずBBの余裕たっぷりの歌声はスゴイですね。
> もちろんギターも!

そうですね。とっても包容力を感じます。

> ヨハンセンがここで出てくるとは、確かに予想すらできないです。
> ブルースはみんなの基本だったんですね。

私も彼がブルーズをやってるとは全然知りませんでしたが、YouTubeにはこのライヴ以外にも、サムリンとの共演がありましたので、今後もチェックしてみたいと思います。
ジオヤーさんへ

> ボビー・ラッシュ、このお下品さ良いですね~、皆心から楽しんでる様子ですし、でも、もし、この場にいたら、この濃い世界にはさすがに気後れしてしまいそうですけど。

> B.B.キングは、現存する最後の最も偉大なポピュラーアーティストですよね~、もし亡くなられてしまわれた時は、アメリカは国葬にするべきです。まったく衰えない歌声と、少ない音数で語り尽くすギターは驚異的、「The Thrill is Gone」、私も感動です。でも、サバンナと比べちゃいますか~(爆)
B.B.キングは『レッド・ホワイト&ブルース』にも登場してて、イギリスのブルーズロックアーティストへお礼を言ってましたけど、そう言った人間性が歌やギターにも表れてる気がします。「洒落たことは出来ないが」とご本人は自分の不器用さを隠しませんでしが、シンプルなメロディと歌だからこそ、BBのブルーズには説得力を感じます。

> その昔、黒人アーティストが白人に取り入る方法としての有効な手段は、コミカルさを装うことだったそうですが、ロスコー・ゴードンもそんなアーティストの一人だったようにこの映像から窺えますね。ここに出てくるルーファス・トーマスもそうですし、ルイ・アームストロングもそういったスタイルを取ったアーティストになるようです。
> セオフィラス・ベックフォードは、ジャマイカに渡ったブルースってことで、なるほどと感心しました。これが後に、スカ、ロックステディ、レゲエへと繋がっていくことになるんですね~。

なるほど、コミカルさありますね。それと、ルーファス・トーマスのDJ聞いてたら、ラップっぽいなーと思ったり、ジャマイカ音楽との関連にしても、黒人文化の深さが感じられる作品でした。

> デヴィッド・ヨハンセンの堂に入ったブルースの歌い振りも素晴らしい。ハウリン・ウルフをここまで歌えてしまう白人というのも他に知りませんが、この人、ブルースマンとして新たに成功しそうです。

ホント、ビックリです。私は彼を見くびっていたと反省です。


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