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yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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ユッカリーナのヨガ的雑記帳


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2015/02/19 15:43 yuccalina

『バベットの晩餐会』~神が愛した芸術と愛の物語

アカデミー賞の季節のせいか、テレビではアカデミー絡みの映画を多く放送してますね。とは言うものの、ハリウッド映画にあまり興味の無いワタクシは、ベルリンやカンヌの方が気になり、アカデミーで一番チェックするのは、外国語映画賞。先日紹介した『ニュー・シネマ・パラダイス』もそうでしたが、今回の『バベットの晩餐会』は1987年のアカデミー最優秀外国語映画賞に輝いたデンマーク映画。NHK BSプレミアムで見直しました。

日本公開は1989年で当時私は24歳、場所は渋谷パルコの中だったか、銀座のセゾン劇場だったか、とにかく一番映画館に通ってた時代でした。YouTubeで日本版の予告編を発見。映像がかなり暗めになってますが、実際はブルーグレーのような落ち着いた色調でした。



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YouTubeに英語字幕付の予告編もありました。実際の映画の色調に近いので、こちらも貼っておきますね。日本版はわざと暗くしたんでしょうか。同じ映画なのに、随分と雰囲気が違って見えますし、こちらの方が料理が美味しそうに写ってますよね。



『野いちご』のビビ・アンデショーンがどこに出てるのか、ずっと分からなくて気になってたんですが、これで確認できましたわ。

19世紀末のデンマーク、ユトランド(ドイツの北に位置する半島)の村を舞台にした、清謐かつ心暖まるお話です。牧師の娘であり、若い頃から父親の仕事を手伝っていた老姉妹マーチーネとフィリパは、独り身のまま村で奉仕活動をしながら、家政婦のバベットと3人で暮らしています。清貧な生活をする姉妹に何故家政婦いるのか、そこには、かつてマーチーネに恋した騎兵隊の士官ローレンスと、フィリパに魅かれたパリの人気歌手パパンが関係していました。バベットはパリコミューンで夫と息子を失った時、パパンのつてで、命からがらユトランドへ渡って来たのです。

バベットがユトランドにやってきて14年後の12月、パリから手紙が届きます。バベットがパリの友人に頼んで買い続けていた宝くじが当たったのです。丁度、老姉妹の亡父の生誕100年にあたり、彼女は記念の晩餐会を開き、本格的なフランス料理を振舞いたい、と申し出ました。宝くじのお金でバベットはパリへ帰ってしまうと思い込んでいた姉妹は、彼女の最後のお願い、-晩餐会の経費は全てバベットが出して仕切ること-を了承しました。

ところが、バベットがパリから船で運ばせた食材の数々、生きたままの海ガメやウズラを見て、村人達は恐れおののく。そんな料理など想像もつかないので、バベットは実は魔女なのではないか?と疑うのです。マーチーネはバベットが得体の知れない、恐ろしい料理を作っている悪夢を見たりと。

そんな中で始まった晩餐会、村人達はビクビクしながら料理を口にするのですが、30年ぶりに将軍となって戻ってきたローレンスだけが、料理にブラボー!を連発します。若い頃、マーチーネに告白も出来ずにユトランドを去った彼は、その後社交界で活躍し、美食家となっていたので、「これはかつて、パリの高級レストラン、カフェ・アングレで食べたものと同じではないか?」と。

そう、バベットは正にそのカフェ・アングレの女性シェフだったのです。彼女は芸術的な創作料理を作ると、パリで名声を得ていたのでした。しかし、バベットは大金を全て晩餐会の為に使い、パリには帰りません、と姉妹に告白します。そして、また貧しい暮しに戻って良いの?との姉妹の問に、バベットはこう答えたのです。

「芸術家は貧しくはありません」

お世話になっている姉妹の亡父の記念日に、姉妹や村人達の為に、料理の腕を振るうことは、自分の為でもあった。大金を料理に注ぎ込むことは、バベットにとっては芸術的行為だったのですね。そこで私もブラボー!と拍手したくなりましたわ。

バベットは姉妹の生き方に、どんな名声よりも崇高なものを見い出し、それこそ芸術に値すると思ったのかもしれません。それは、かつて人気歌手のパパンが、フィリパの歌声の、神と繋がっているゆえの美しさにひれ伏したことと重なります。フィリパはバベットを抱擁しながら、こう言いました。

「天国であなたは偉大な芸術家となる きっと天使たちもとりこになるわ」

それは、まさに、パパンがフィリパの歌声に対して言った言葉だったのです。

最初は恐る恐る料理を口にしていた村人達でしたが、言葉には出さずとも、表情が緩んでウットリとして、優しい空気に包まれていく光景。以前はいがみ合っていた者同士も、手を取り合い、輪になって歌うエンディングには、気持ちがほっこりと暖かくなりました。そう、芸術は人々をハッピーにしてくれたりもするんですね。

昔見た時は、バベット=魔女?と言うミステリー的な部分の面白さに気を取られて(予告編の悪影響かも?)、芸術云々の話はあまり覚えていませんでした。そしてもう一つ、今回とても印象深かったのが、晩餐会の後、ローレンスがマーチーネに「体は離れ離れでも、それは重要ではない、これまでも、これからも私はあなたのそばにいます」と言って去って行ったところです。ローレンスにとって、敬虔であることがマーチーネと寄り添うことであり、彼女もずっと同じ気持ちでいた。体はそばにいなくても、神様を通して、お互いの気持ちは通じ合っていたと。これは正に愛の物語でもあったのですね。


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Comment
これは素直に面白いと思った作品でした。

とは言っても、あいかわらず内容はほとんど記憶にないのですが・・・(^_^;)。

記憶に残っているのは、監督が料理(ユッカリーナさんの解説によれば芸術ということかな?)にたいして敬意をもって接しているという感じがした、ということです。

それと料理を素直に美味しいと食したのが、将軍以外では下僕の少年だったというのが、印象的でした。

記憶間違いだったら修正お願いします(^_^;)。
バベットの晩餐会、大好きな映画のひとつです。村人たちが料理についてコメントするのはやめようと決めているものの、口にしたときの驚きとうっとりした表情が、どんなグルメレポーターにも叶わない雄弁さで、美味しいは素晴らしいって思います。さらに、慈善活動で提供するただのポテトと海藻のスープだったかも、バベットが作るものは違うっていうエピソードも忘れられないです。
バニーマンさんへ

> 記憶に残っているのは、監督が料理(ユッカリーナさんの解説によれば芸術ということかな?)にたいして敬意をもって接しているという感じがした、ということです。
>
> それと料理を素直に美味しいと食したのが、将軍以外では下僕の少年だったというのが、印象的でした。
>
> 記憶間違いだったら修正お願いします(^_^;)。


「美味しい」と言って食べていたのは、少年でなくて、将軍の馬車の馭者をしていたおじさんでした。彼は一緒に食事が出来ない為、コーヒー豆をひいたり厨房を手伝いつつも、お酒を飲んだり料理も食べていたんですね。ウズラのパイに黒トリュフが入ってたのは、私も後で気が付きました。少年も最後のケーキだけ、馭者のおじさんと一緒に、美味しそうに食べてましたが。

厨房の様子も丁寧に描いてましたし、白いテーブルクロスにアイロンかけたりと、きめ細やかなテーブルセッティングにも、料理への敬意を感じました。
千鳥さんへ

> バベットの晩餐会、大好きな映画のひとつです。村人たちが料理についてコメントするのはやめようと決めているものの、口にしたときの驚きとうっとりした表情が、どんなグルメレポーターにも叶わない雄弁さで、美味しいは素晴らしいって思います。さらに、慈善活動で提供するただのポテトと海藻のスープだったかも、バベットが作るものは違うっていうエピソードも忘れられないです。

口には出さずとも、表情が雄弁に語ってましたね。
慈善活動の食事のとこは、私も印象に残ってます。バベットがパリに行ってる間、姉妹で作ったスープが全然美味しそうじゃなくて、もらったおじいさんが顔をしかめてましたね。


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