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Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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2015/01/24 10:35 yuccalina

女性のファッションを創造し時代を変革した『イヴ・サンローラン』

このところ映画の話題が続いていますが、今回も『ジョン・レノン、ニューヨーク』『オーケストラ!』と同様、年末にBSプレミアムで録画したものです。

『イヴ・サンローラン』はフランスのファッションデザイナーのドキュメンタリーです。ややこしいですが、去年日本公開されたジャレル・レスペール監督の伝記映画『イヴ・サンローラン』とは別の作品。過去の映像や関係者のインタビューで綴られていますが、幼少期の話は殆どなく、サンローランがディオールの後継者となり、生涯の恋人だったピエール・ベルジュと出会ってからのエピソードが中心となっています。

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そのベルジュがナレーション及び案内役を務めているのですが、映画はサンローランが2002年に引退した時の会見でスタートしました。

サンローランなんて、当然服は無縁ですし、化粧品も香水も持ったことの無い私ですが、この会見を見ていたら、彼が自分の人生とは全く関係の無いフランス人!とは言い切れないところがあるから面白いです。ちょっと長いですが全文を書き起こしてみました。

お集まりの皆様、今日私は心からの想いを込めて、重大な発表をいたします。私の人生および職業に関することです。私は18歳でディオールのアシスタントになり、21歳で後を継ぎました。そして、1958年最初のコレクションから、成功に恵まれました。あれから44年が経とうとしています。以来ずっと、仕事にすべてを捧げて生きてきました。誇りに思います。世界中の女性がパンタロンスーツやスモーキング、ショートコート、トレンチを着ています。私は現代女性のワードローブを創造し、時代を変革する流れに参加したのです。うぬぼれるようですが、私は昔からかたく信じていました。ファッションは女性を美しく見せるだけではなく、女性の不安を取り除き、自信と自分を主張する強さを与えるものです。人は生きるため、とらえがたい"美"を必要とします。私はそれを追い求め、とらえようと苦しみ、苦悩にさいなまれ、地獄をさまよいました。恐れや耐えがたい孤独に怯え、精神安定剤や麻薬に頼ったこともあります。神経症に陥り、更正施設に入ったことも。でも、ある日迷いから覚めて、立ち直ることができました。プルーストは書いています。"極度に神経質な、痛ましくもすばらしい一族に属する"と。望んだ"一族"ではないですが、そのおかげで、私は"創造の天国"に昇れたのです。ランボーが言う"火をおこす者たち"と接し、自らを見いだし知りました。人生で最も大切な出会いは、自分自身と出会うことなのだと。しかしながら、私は今日心から愛したこの職業に別れを告げます。

マルセル・プルーストやアルチュール・ランボーを引き合いに出すところは、いかにもフランスのインテリゲンちゃんなとこですが、特に私が共感したとこを大文字にしてみました。

最近ではパンタロンという呼び方が無くなったのは残念です。私は1965年生まれですので、子供の頃にはパンツでなくフランス語のパンタロンが普通に使われていて、それはサンローランが流行らせたからであったと。ファッションは「不安を取り除き、自信と自分を主張する強さを与えるもの」というのは、川久保玲や山本耀司も同じような事を言っていた気がします。勿論それは、ココ・アヴァン・シャネルからの遺産とも言える訳ですが、サンローランが果たした役割は大きく、自分と全く無関係ではない気がしてしまったんです。そして、「自分自身との出会い」というヨガ的な発言にも共感したのでした。

60年代のVTRには、アンディ・ウォーホルやミック・ジャガーと一緒に写ってたりしてビックリでしたが、この映画を見れば彼のアートへの造詣の深さがよく分かりました。この映画のお蔭で、自分が持ってたウォーホルのポストカードの絵が、実はイヴの愛犬ムージクだったと分かったり、発見も沢山ありましたよ。

ysl1.jpg

裏面には”Dog”としか書いてありません。

ysl2.jpg

YouTubeで動画を検索したら、ムージクが一緒写ってるインタヴューがありましたわ。少年時代の思い出を語るサンローランの回りをウロウロするムージク。その様子だけでも、愛敬があって可愛らしいです。



さて、映画の内容はファッションに纏わることだけでなく、サンローランとベルジュが一緒に暮らしたパリの家、仕事場、マラケシュの家が紹介され、そこに置かれた膨大な美術品やアンティークが紹介されています。ベルジュはそれをクリスティーズのオークションにかけて、全てが落札されるところで映画は幕になります。彼は、自分が全て抱え込んでおくよりは、元気なうちにしかるべきところへ”嫁入り”させた方が、イヴの為にもなるだろうと考え手放したのです。

その家の様子が収められた動画がありました。



最後のマレケシュの家のBGMが何故かハンガリーの歌姫、マルタ・シェベスチャーンなのが不思議ですが、それほど違和感はないかしら。パリの家は、サンローランのコレクションのモチーフにもなったモンドリアンとか、マチス、ピカソ、フェルナン・レジェ、ブラック等の絵画に、骨董品の壺やらで溢れていますが、1:32あたりで、高く天井に伸びる彫刻が目に入ります。

このブログではお馴染み?なルーマニアの彫刻家、コンスタンティン・ブランクーシの柱なんです。この動画ではスルーされてますけど、映画の中では、ベルジュがこの彫刻を見つけた時の感動を語っておりました。やはり捕えがたい美を追い求める人々に、こうしたアート作品によるインスピレーションは欠かせないものだったんでしょうね。

最後に、インスピレーションと言えば、サンローランにバレエ・リュス・コレクションなるものがあったんですね。初めて知りました。YouTubeに動画はあったんですが、共有不可になってましたので、リンク先だけ貼っておきます。

イヴサンローラン - バレエ・リュス・コレクション(1976/77秋冬)動画へのリンク

バレエ・リュスと言えば、昨年展覧会に行きこのブログにもいくつか記事を書きました。

バレエリュス展とカフカス文化、パラジャーノフの世界
バレエリュスのインスピレーション~触発し合うアートとファッション

で、カフカス地方やペルシャなどを舞台にしたものの、エキゾチックな衣装が目を惹いたのですが、コレクションもやはりそのテイストが強いですね。まあ、20年代のテイストを好んでたサンローランなら、バレエ・リュスも当然なチョイスだったのかもしれませんが。

という訳で、この『イヴ・サンローラン』はファッション好きのみならず、アート好きな方にもオススメです。また、サンローランとベルジュの関係は、とても胸に迫るものがあり、遺品を整理するベルジュには、今もなおサンローランへの深い愛を感じたのでした。


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タグ: フランス 60年代 70年代 犬好き

テーマ:フランス映画 - ジャンル:映画

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Comment
こんばんは。

こんなドキュメンタリーもつくってあったのですね。
あの映画と勘違いしてしまいます。
というより去年の年末に放映されたことを知りませんでした。
残念。

流石に家の中はスゴイですね。
日本人のデザイナーと比べて、どうしてこんなにお金持ちに
なれるのでしょう・・・。
どうも下世話な比較で申し訳ありません(^_^;)。

そういえば、エディがクリエイティブ・ディレクター?になる前の
サンローランって、誰が担当していたのかな?
映像が暗くてわかりにくいんですが、ブランクーシの彫刻は下のサイトの下から4番目のものと同じものニカね。
http://matome.naver.jp/odai/2129810088004022501?page=2
マラケシュの家にはブランクーシの彫刻もあって、仏像もあるニダね。(動画の4:24辺り)仏像にはモダンアートを愛する人たちをひきつける魅力があるのかしら・・・

アンディ・ウォーホルのDOGがサンローランの犬だったとか、初耳ですたわ。犬の名前ムジークはmusique(音楽)ニカね。音楽が好きなんでしょうねぇ。

「人生で最も大切な出会いは、自分自身と出会うこと」、これは心に残る言葉ニダな。自分自身と出会わないと素晴らしいアートを生み出す事はできないんだろうなぁと、ふと考えましたわ。
バニーマンさんへ

> こんなドキュメンタリーもつくってあったのですね。
> あの映画と勘違いしてしまいます。
> というより去年の年末に放映されたことを知りませんでした。
> 残念。


年末にドキュメンタリー映画を沢山放送してたみたいです。私はサンローラン、ジョン・レノンの他にも『ピナ』を録画しました。

> 流石に家の中はスゴイですね。
> 日本人のデザイナーと比べて、どうしてこんなにお金持ちに
> なれるのでしょう・・・。
> どうも下世話な比較で申し訳ありません(^_^;)。


サンローランは元々お金持ちの生まれみたいですけど、美術品やアンティークにお金をかけるのは、美を追求する人にとっては必要経費かと思います。

> そういえば、エディがクリエイティブ・ディレクター?になる前の
> サンローランって、誰が担当していたのかな?


エディとトム・フォードの間はステファノ・ピラーティーという方らしいですが、私はよく知りませんです。
Mansikka様こんしお~!

> 映像が暗くてわかりにくいんですが、ブランクーシの彫刻は下のサイトの下から4番目のものと同じものニカね。
> http://matome.naver.jp/odai/2129810088004022501?page=2


そうですね。全く同一かは分かりませんが、同じシリーズなのは確かだと思います。運送屋が運ぶ時に解体されて、ベルジュが「台座もあわせて一つの作品だから」と注意したますたわ。

> マラケシュの家にはブランクーシの彫刻もあって、仏像もあるニダね。(動画の4:24辺り)仏像にはモダンアートを愛する人たちをひきつける魅力があるのかしら・・・

モディリアニも仏像の影響受けてたかも?と藤田の本にもありましたし、プリミティフな美は表現者にインスピレーションを与えるみたい。そう言えば、サンローランはアフリカンアートも収集してますたし。

> アンディ・ウォーホルのDOGがサンローランの犬だったとか、初耳ですたわ。犬の名前ムジークはmusique(音楽)ニカね。音楽が好きなんでしょうねぇ。

ハッと、サンローランのWikiの英語版もチェックしてみたら、MusiqueじゃなくてMoujikだったんです。ムジークぢゃなくて、ムージク(本文も訂正しますた)。こりはロシア語мужи́кに由来してて、帝政ロシア時代の農夫のことですって。私も字面だけですっかり音楽だと思い込んでおりますたわ。

> 「人生で最も大切な出会いは、自分自身と出会うこと」、これは心に残る言葉ニダな。自分自身と出会わないと素晴らしいアートを生み出す事はできないんだろうなぁと、ふと考えましたわ。

どんな世界でも極める人は、みな自分自身と出会うんではないでせうか?


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