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yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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ユッカリーナのヨガ的雑記帳


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2015/04/28 08:20 yuccalina

The BLUES Movie Projectその(6)~『ゴッドファーザー&サン』~ウィリー・ディクソンと根っこと果実

マーティン・スコセッシ総指揮の『The BLUES Movie Project』DVDボックスを紹介しています。2003年をブルース生誕100周年とし、アメリカ音楽の歴史として後世に残すためのTV番組として、企画・製作された作品です。

THE BLUES Movie Project [DVD]THE BLUES Movie Project [DVD]
(2011/12/21)
マディ・ウォーターズ、BBキング 他

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7枚組DVDボックスを順に紹介する6回目ですが、これまでのエントリーは以下の通り。

その(1)~ヴェンダースの『ソウル・オブ・マン』
その(2)~スコセッシ『フィール・ライク・ゴーイング・ホーム』~ブルーズとアフリカを結ぶファイフの音色
その(3)~『レッド・ホワイト&ブルース』~ブルーズからブリティッシュロックを生み出した人々のお話
その(4)~ブルーズ同窓会@『ロード・トゥ・メンフィス』
その(5)~『デヴィルズ・ファイア』と18禁の悪魔

先に結論から言ってしまいましょう。この『ゴッドファーザー&サン』は一番好きかもしれません。あと1本、クリント・イーストウッド監督の『ピアノ・ブルース』が残っていますが、こちらは、DVDボックス購入以前に、既に見ていたので、今回で一応全作品を見たことになるんです。

確かに映像作品として、ヴェンダース、スコセッシ、イーストウッドと言った巨匠たちより見劣りするのは否めません。しかし、文化を伝える者と受け継ぐ者と言う”繋がり”、言うなればヨガ的な話であり、私的にはとても知りたかった内容が盛り沢山なところに、とても魅力を感じたのです。それは、ブルースにおけるユダヤ人の存在、ブルースがアメリカの大衆音楽になった背景に、ユダヤ人の果たした役割は大きいということ。これまでにも、スキップ・ジェイムスやサンハウスのマネージャーをしていたディック・ウォーターマンやフィルモアでBBキングを世に広めたビル・グレアムの話が出てきましたが、この作品に登場するのはチェス・レコード創始者のレナード・チェスの息子マーシャル。レナードとその弟フィルのチェス兄弟はポーランド移民のユダヤ人です。マーシャルへのインタビューを軸に、シカゴ・ブルースの歴史が紐解かれて行きますが、監督のマーク・レヴィンも名前からしてユダヤ系みたいですね。

作品の中でも、

黒人+ユダヤ人=(シカゴ)ブルース

という表現が出ていましたが、シカゴと言う町自体が黒人とユダヤ人が混ざり合って成り立っていた様です。叔父のフィル・チェス曰く、金曜の夜になると、黒人教会から聴こえてくる音楽に心を踊らせ、食事もそっちのけで兄と聴き入っていた。そして、その素晴らしい黒人音楽を演奏する場所として、『マコンバ・ラウンジ』というナイトクラブを開き、更にそこで演奏するミュージシャン達の為にレコード会社を作った。

チェス・レコードが生まれた背景はこんな感じなんですね。

そして、この作品のハイライトはマーシャルとチャックD(パブリック・エネミー)が企画した、『エレクトリック・マッド』(マディ・ウォーターズの1968年のアルバム)の再演。

エレクトリック・マッドエレクトリック・マッド
(2013/12/11)
マディ・ウォーターズ

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マディがサイケデリックサウンドに挑戦したこのアルバムは、マディ自身や参加メンバーもノリノリで、その出来に満足していたそうですが、発表当時は叩かれ捲り、プロデュースしたマーシャル曰く「ムチ打ちの刑にされた」とか。



そのあたりのお話が、上の動画で語られてますが、1:20に入ってる『フーチー・クーチー・マン』の映像は、私は初めて見ました。

実を言うと私はこのアルバム初めて聴いたんですが、メチャカッコイイじゃないですか~!オープニング曲はストーンズもカヴァーしてましたけど、きっと「負けた~!」と思ったことでしょうね。

んで、散々な評価を受けてから35年の後、マーシャルはラッパーからEメールを受け取るのです。曰く、

『エレクトリック・マッド』は一番影響を受けたアルバム

「孫世代が現れた」と喜ぶマーシャルは、当時のメンバーに連絡を取り、チャックDにシカゴ出身のコモンを加えたラップ版エレクトリック・マッドを録音すると。



『ゴッドファーザー&サン』(原題は複数形でGodfathers and Sons)というタイトルにも表れてるのですが、本作のテーマはやはり文化の継承ってことになるんでしょうね。伝える者と受け継ぐもの。実はタイトルの元ネタであるマディ・ウォーターズのアルバム『ファーザーズ&サンズ』もマディがポール・バタフィールドやマイク・ブルームフィールド等、当時の若手と共演したものでしたから。

Fathers & SonsFathers & Sons
(2001/10/30)
Muddy Waters

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ジャケットはシスティーナ礼拝堂の天井画を模していますが、黒人が父なる神様で息子が白人になってるのがミソ。中々秀逸な作品です。

チャックDは、ブルースによってそれまで物言えぬ存在だった黒人が、自分の思いを出せるようになった、と言ってましたが、ブルースが音楽として熟成していく過程で、ユダヤ人を中心とした白人との交わりは欠かせないことも、認識している様です。レナード・チェスはブルースの革新者と呼んでいました。マッキンリー・モーガンフィールドも南部に留まっていたら、父なるマディ・ウォーターズには成ってなかったかもしれない?


登場するアーティストはマディ・ウォーターズを始めチェスレコードに所属していた豪華メンバーや、マーシャルが関わってきたロックアーティスト達。ココ・テイラーのライヴ映像には、日本人ギタリスト菊田俊介の姿があったり、ポール・バターフィールドの功績と、彼のバンドでドラムを叩いていたサム・レイも登場するブルース・フェスティバルとか、どれも興味深かったのですが、その中でも私が一番魅かれたのはウィリー・ディクソンでした。

彼の名前を最初に認識したのは、多分レッド・ツェッペリンのアルバムだったと思いますが、その後60年代のガレージロックにハマった時にも、しょっ中名前を目にしたものです。しかし、彼が一体どんな人物だったのか、全く知りませんでした。ベーシストとしてマディ・ウォーターズのバックを支え、作曲家として多くの曲を提供した他にも、スカウトマンとして新人を発掘。ココ・テイラーもディクソンがスカウトしたとか。また、音楽だけでなく、ビジネスマンとしての才能があったというのも、かなり重要かもしれませんね。マーシャル曰く、彼が初めての黒人の会社重役。しかも、それが公民権運動やキング牧師以前の話な訳ですから。ディクソンがチェスでビジネスの才能を開花させたおかげで、後にブルース・ヘブン財団を設立し、ブルースの発展に寄与しました。財団は旧チェス・スタジオの建物であり、歴史的建造物として保存されているそうですし。

そんなウィリー・ディクソンの口癖は

ブルースがルーツ(根っこ)であり、その他はすべてフルーツ(果実)

だったそうですが、それはブルース人種の壁を超えて人々を引き付ける力を持っている、と言う意味にも受け取れます。つまり、人間の根源(ルーツ)に訴える音楽だということ。シカゴと言う町はそんなブルース音楽にとって、発展しやすい環境だったんでしょう。50年代のマックスウェルストリートの映像では、黒人と白人が普通に混じって買い物したりしてますし、居住地域も区別されてなかった様です。勿論、中には黒人に差別意識の強いユダヤ人もいたでしょうけど、チェス兄弟だけが特別だったのでなく、シカゴという町全体がブルースを育てたとも言えるような、、。

さて、シカゴと言えばやはり思い出すのが『ブルース・ブラザーズ』ですが、ネオ・ナチが裁判に勝って気勢を上げてるシーンで、

ユダヤ人は黒人を利用して何か企んでる

みたいな演説をしてましたっけ。シカゴで黒人とユダヤ人が仲良くしてるのが気に入らないドイツ人、みたいな構造だったんでしょうね。通りがかったジェイク&エルウッドが「気に入らねえ」と車で集団に突っ込んで、ネオナチ全員を川に落としてしまい、そこからストーキングされるんですが、、。この『ゴッドファーザー&サン』を見たら、あのネオナチが言ってたことと、ジェイク&エルウッドの反応の意味が理解出来ましたわ。

そんな訳で、ワタクシは今ムショーに『ブルース・ブラザーズ』が見たいんです~!

でも、次はクリント・イーストウッドの『ピアノ・ブルース』を見直す予定です。前回の投稿に加筆するか、改めて記事にするかは未定ですが、取りあえず、その(7)に続く。


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タグ: R&B ソウル

テーマ:ブルース・BLUES - ジャンル:音楽

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