ビートクラブdeロックな話(7)~UK Jones, Paul Williams Set, David McWilliams, Paul JonesそしてScott Walker
伝説のロックTV「ビート・クラブ」のDVD BOX2から、数曲チョイスして紹介しているシリーズの7回目です。第42回放送分(1969年)の収録内容は以下の通り。
Disc 3-1 : Beat Club No.42(1969年)
Artist : Title
UK Jones : Let Me Tell Ya*
Cliff Richard
Jane Birkin
Les Reed : Don't Linger With Your Finger On The Trigger
Grisby Dake : The Adventure Of Miss Rosemary Lapage
Paul Williams Set : Sly Sadie*
David McWilliams : The Stranger*
Melanie : Bobo's Party
Paul Jones*
John Lennon & Yoko Ono
Janis Joplin
Trifle : All Together Now
Manfred Mann : Ragamuffin Man
Scott Walker*
Clodogh Rodgers : Come Back And Shake Me
Dave, Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich : Don Juan
The Kinks : Plastic Man
(*印は今回紹介する曲。タイトル無しのアーティストはインタヴューまたは紹介VTR等。)
いつもは2、3アーティストにとどめるようにしてるのですが、今回はしぼり切れずに5組。その分内容はいつもより更に薄味でまいりますので、よろしく。
最初のUK Jonesは、「ビートクラブ」のオープニングテーマ曲が最初に出てくる動画を発見。番組の雰囲気も分かるかなと思い選んでみました。ゴーゴーダンスする女性のファッションは70年代の日本歌謡界で見覚えアリ。往年の山本リンダとかを彷彿とさせます。バックに写ってるピンボールの映像は、The WhoのTommyを意識していそう。サイケデリック世界を象徴するアイテムでもありますし。MCを務める男女も出てきます。しかし、このダンサー見てると、ダンスの進化を感じずにはいられませんね。ちょっと笑っちゃいました。
<ビートクラブのOPダンスに70年代のニッポン歌謡界を見た>
んで、UK Jonesって全く知らなかったのですが、裏方出身のMike Berryって人の変名プロジェクトだそうです。どうりで歌ってる姿がイケてないこと。この曲に興味を持った理由はただ一つ、主旋律がフィンガー5のヒット曲「学園天国」にソックリってこと。かつて日本の歌謡曲に洋楽からのパクリが多いかったのは有名な話です。学園天国と言えば、出だしの部分がGary US Bondのパクリじゃねぇ?って話(こちら)を書いたことがありますが、もしかしたらあっちこっち継ぎはぎして出来た曲なのかもしれませんね。
お次のPaul Williams Setも初めて知りました。元The Animalsのキーボード奏者Alan Priceが脱退後に結成したThe Alan Price Setが母体で、ボーカルの交代で名前も変わる形になったそうです。残念ながらビートクラブ映像の動画が見つかりませんでしたが、シングル盤の作者とプロデューサーとして、Alan Priceの名前がしっかり刻まれていますね。
Paul Williamsはモッズファンの必須バンドと言えるZoot Money's Big Roll Band とJohn Mayallのバンドではベーシスト、後に英米混成のJuicy Lucyでもヴォーカルを務めるのですが、案外プログレファンからの認知度が一番高いかもしれません。Tempestに参加の後、長くAllan Holdsworth のバンドで歌うことになるのです。ここでも来ましたねプログレッシヴ・ロックってばさ。ブルーズ志向の人脈が、結構な割合でプログレに流れてる気がするのですが、「Sly Sadie」はポップかつルーズな曲でソウルフルな歌声、プログレのニオイは全く感じません。
David McWilliamsも初見のアーティスト。アイルランド出身のシンガーソングライターで、イギリスでのヒットには恵まれなかったものの、ヨーロッパで何曲かカバーされてたとか。90年代にMarc Almondネエさんが、「The Days of Pearly Spencer」をカバーしたことで再評価されました。
しかし、以前紹介したBarry Ryanの「Eloise」みたいに、この時代の曲って80年代以降にカバーされて、ヒットするパターンが多かったんですね。
Manfred Manは初期のベスト盤を聴く程度に知っておりましたが、そのヴォーカリトがPaul Jones。グループとして「Ragamuffin Man」という曲も同時に収録されておりますが、敢えてソロを選んだのには理由があります。BGMで流れている曲が「Aquarius」と言う曲で、ブロードウェイミュージカルで映画化もされた「ヘアー」の挿入歌。私が昔勤めていた会社では、ロック好きの仲間が集まって時々「ロックカラオケ大会」みたいなもんをしてたのですが、一回り年上の上司が、この曲を十八番にしていました。5th Dimensionというアーティスト名で聞いてましたが、Paul Jonesも歌ってたとは知りませんでしたし、こんなにカッコイイ曲だったのかと、見直してしまった次第。しかし、インタビューの内容が全然分からないのは残念。ドイツ語通訳の声がかぶさってしまって、全く聞き取れませんでした。でも彼が主演した映画「傷だらけのアイドル(原題Privilege)」と関係あるのかな?
というのも、Paulが冒頭上下真っ白い服を着て、首にスカーフと、アイドルっぽい格好で登場したからです。「傷だらけのアイドル」と言えば、パティ・スミスがアルバム「Easter」でカバーした「Set Me Free」という曲があり、私にも馴染みがあります。また、彼がManfred Manの同僚Tom McGuinnessと組んだThe Blues Bandや、McGuinness Flintとと言ったスワンプ系も、私は後に親しむ事となるので、Paul Jonesって意外と接点があるアーティストだったんだなー、と再確認したのでした。
最後はScott Walker。私より若い世代でも注目されている理由が、Radioheadに影響を与えたからとか最近知りましたが、私はやっぱりジュリアン・コープ経由です。今回のインタビュー映像を見ても、Teardrop Explodes時代のジュリアンにそっくりや~!とかなりコーフンして見てしまいましたわ。
<Teardrop Explodes時代のジュリアン・コープ>


YouTubeで色んな映像が見られるようになって、Scottの歌い方とか、表情の作り方とか、ジュリアンっぽいとこが沢山あるのに気が付きました。ファッションだけでなく、声やしゃべり方、仕草なんかもジュリアンはお手本にしてたのかしらん?そんで、こちらのインタヴューはドイツ語が字幕だったんで、半分くらいは分かりました。Scottは、「両親はドイツ人だから、ヨーロッパの方が居心地が良い」とか話してて、当時は「ジプシーの様にあちこち、一ヶ所に留まらない生活」をしてたそうです。シャンソンのカヴァーをしたのも、そういう経緯があったのかもしれませんね。
<こちらはブレルのカヴァー「ジャッキー」>
今回スルーしましたが、ニュース映像で登場したジェーン・バーキンのBGMは当然「ジュ・テーム」で、ミック・ジャガーとかパティ・スミスと同系の格好良い口デカ顔なんだなーと確認。同じくニュース映像ジョンとヨーコの「Give Peace A Chance」を集団で歌う姿、既にッピームーヴメントの始まってるのが分かります。1969年は60年代と70年代の狭間にあり、ファッションを見てても面白いです。マッシュルームカットから髪を伸ばし始めたり、服装もモッズスーツからヨレヨレのフォークロア調に変化し始めています。UK Jonesの前に登場するゴーゴーガールは既に70年代スタイルですが、自分自身、小学生時代が丁度1971~1976年で、思えば子供服もモロにヒッピー風やソウルトレイン風だったんだなー、と最近気が付きましたよ。あの時代、日本の芸能人にもアフロヘアーしてる人がいたのは、ソウル音楽の隆盛と関係してた訳ですね。
と自分の思い出にもクロスオーバーしてくるビートクラブ、やっぱりやめられまへんなー。それでは、また次回。
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Disc 3-1 : Beat Club No.42(1969年)
Artist : Title
UK Jones : Let Me Tell Ya*
Cliff Richard
Jane Birkin
Les Reed : Don't Linger With Your Finger On The Trigger
Grisby Dake : The Adventure Of Miss Rosemary Lapage
Paul Williams Set : Sly Sadie*
David McWilliams : The Stranger*
Melanie : Bobo's Party
Paul Jones*
John Lennon & Yoko Ono
Janis Joplin
Trifle : All Together Now
Manfred Mann : Ragamuffin Man
Scott Walker*
Clodogh Rodgers : Come Back And Shake Me
Dave, Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich : Don Juan
The Kinks : Plastic Man
(*印は今回紹介する曲。タイトル無しのアーティストはインタヴューまたは紹介VTR等。)
いつもは2、3アーティストにとどめるようにしてるのですが、今回はしぼり切れずに5組。その分内容はいつもより更に薄味でまいりますので、よろしく。
最初のUK Jonesは、「ビートクラブ」のオープニングテーマ曲が最初に出てくる動画を発見。番組の雰囲気も分かるかなと思い選んでみました。ゴーゴーダンスする女性のファッションは70年代の日本歌謡界で見覚えアリ。往年の山本リンダとかを彷彿とさせます。バックに写ってるピンボールの映像は、The WhoのTommyを意識していそう。サイケデリック世界を象徴するアイテムでもありますし。MCを務める男女も出てきます。しかし、このダンサー見てると、ダンスの進化を感じずにはいられませんね。ちょっと笑っちゃいました。
<ビートクラブのOPダンスに70年代のニッポン歌謡界を見た>
んで、UK Jonesって全く知らなかったのですが、裏方出身のMike Berryって人の変名プロジェクトだそうです。どうりで歌ってる姿がイケてないこと。この曲に興味を持った理由はただ一つ、主旋律がフィンガー5のヒット曲「学園天国」にソックリってこと。かつて日本の歌謡曲に洋楽からのパクリが多いかったのは有名な話です。学園天国と言えば、出だしの部分がGary US Bondのパクリじゃねぇ?って話(こちら)を書いたことがありますが、もしかしたらあっちこっち継ぎはぎして出来た曲なのかもしれませんね。
お次のPaul Williams Setも初めて知りました。元The Animalsのキーボード奏者Alan Priceが脱退後に結成したThe Alan Price Setが母体で、ボーカルの交代で名前も変わる形になったそうです。残念ながらビートクラブ映像の動画が見つかりませんでしたが、シングル盤の作者とプロデューサーとして、Alan Priceの名前がしっかり刻まれていますね。
Paul Williamsはモッズファンの必須バンドと言えるZoot Money's Big Roll Band とJohn Mayallのバンドではベーシスト、後に英米混成のJuicy Lucyでもヴォーカルを務めるのですが、案外プログレファンからの認知度が一番高いかもしれません。Tempestに参加の後、長くAllan Holdsworth のバンドで歌うことになるのです。ここでも来ましたねプログレッシヴ・ロックってばさ。ブルーズ志向の人脈が、結構な割合でプログレに流れてる気がするのですが、「Sly Sadie」はポップかつルーズな曲でソウルフルな歌声、プログレのニオイは全く感じません。
David McWilliamsも初見のアーティスト。アイルランド出身のシンガーソングライターで、イギリスでのヒットには恵まれなかったものの、ヨーロッパで何曲かカバーされてたとか。90年代にMarc Almondネエさんが、「The Days of Pearly Spencer」をカバーしたことで再評価されました。
しかし、以前紹介したBarry Ryanの「Eloise」みたいに、この時代の曲って80年代以降にカバーされて、ヒットするパターンが多かったんですね。
Manfred Manは初期のベスト盤を聴く程度に知っておりましたが、そのヴォーカリトがPaul Jones。グループとして「Ragamuffin Man」という曲も同時に収録されておりますが、敢えてソロを選んだのには理由があります。BGMで流れている曲が「Aquarius」と言う曲で、ブロードウェイミュージカルで映画化もされた「ヘアー」の挿入歌。私が昔勤めていた会社では、ロック好きの仲間が集まって時々「ロックカラオケ大会」みたいなもんをしてたのですが、一回り年上の上司が、この曲を十八番にしていました。5th Dimensionというアーティスト名で聞いてましたが、Paul Jonesも歌ってたとは知りませんでしたし、こんなにカッコイイ曲だったのかと、見直してしまった次第。しかし、インタビューの内容が全然分からないのは残念。ドイツ語通訳の声がかぶさってしまって、全く聞き取れませんでした。でも彼が主演した映画「傷だらけのアイドル(原題Privilege)」と関係あるのかな?
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というのも、Paulが冒頭上下真っ白い服を着て、首にスカーフと、アイドルっぽい格好で登場したからです。「傷だらけのアイドル」と言えば、パティ・スミスがアルバム「Easter」でカバーした「Set Me Free」という曲があり、私にも馴染みがあります。また、彼がManfred Manの同僚Tom McGuinnessと組んだThe Blues Bandや、McGuinness Flintとと言ったスワンプ系も、私は後に親しむ事となるので、Paul Jonesって意外と接点があるアーティストだったんだなー、と再確認したのでした。
最後はScott Walker。私より若い世代でも注目されている理由が、Radioheadに影響を与えたからとか最近知りましたが、私はやっぱりジュリアン・コープ経由です。今回のインタビュー映像を見ても、Teardrop Explodes時代のジュリアンにそっくりや~!とかなりコーフンして見てしまいましたわ。
<Teardrop Explodes時代のジュリアン・コープ>


YouTubeで色んな映像が見られるようになって、Scottの歌い方とか、表情の作り方とか、ジュリアンっぽいとこが沢山あるのに気が付きました。ファッションだけでなく、声やしゃべり方、仕草なんかもジュリアンはお手本にしてたのかしらん?そんで、こちらのインタヴューはドイツ語が字幕だったんで、半分くらいは分かりました。Scottは、「両親はドイツ人だから、ヨーロッパの方が居心地が良い」とか話してて、当時は「ジプシーの様にあちこち、一ヶ所に留まらない生活」をしてたそうです。シャンソンのカヴァーをしたのも、そういう経緯があったのかもしれませんね。
<こちらはブレルのカヴァー「ジャッキー」>
今回スルーしましたが、ニュース映像で登場したジェーン・バーキンのBGMは当然「ジュ・テーム」で、ミック・ジャガーとかパティ・スミスと同系の格好良い口デカ顔なんだなーと確認。同じくニュース映像ジョンとヨーコの「Give Peace A Chance」を集団で歌う姿、既にッピームーヴメントの始まってるのが分かります。1969年は60年代と70年代の狭間にあり、ファッションを見てても面白いです。マッシュルームカットから髪を伸ばし始めたり、服装もモッズスーツからヨレヨレのフォークロア調に変化し始めています。UK Jonesの前に登場するゴーゴーガールは既に70年代スタイルですが、自分自身、小学生時代が丁度1971~1976年で、思えば子供服もモロにヒッピー風やソウルトレイン風だったんだなー、と最近気が付きましたよ。あの時代、日本の芸能人にもアフロヘアーしてる人がいたのは、ソウル音楽の隆盛と関係してた訳ですね。
と自分の思い出にもクロスオーバーしてくるビートクラブ、やっぱりやめられまへんなー。それでは、また次回。
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