プロフィール

yuccalina

Author:yuccalina
自閉症の息子(14才)と、エンジニアの夫との3人暮らしのアラフィー主婦です。45才でヨガ指導者スクールを卒業し、現在地元で極々細やかな教室を開催。

一方、トランシルヴァニア(カロタセグ地方)の伝統刺繍、イーラーショシュのステッチを用いた雑貨『Yuccalina Erdő=ユッカリーナ・エルドゥ』の制作も行っています。

ミンネ・ギャラリーにて作品展示中。

ブログでは主にハンドメイド、ガーデニングに加え、10代から親しんできたロック音楽に、映画、本等について綴っています。

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ユッカリーナのヨガ的雑記帳


2012/11/30 08:05 yuccalina

エミール・ガレのボトルから山形発ニットまで

数日前の朝、ダンナが普段滅多に開ける事のない戸棚を、ガサゴソと覗き込んでいました。そこはお酒の瓶が並んでいる場所。胃潰瘍の夫に高血糖の妻というわが家では、お酒といえば暑い夏に350mlの缶ビール1本を2人で飲む程度の生活なのですが、その棚にはダンナが昔買ったレミー・マルタン(コニャック)やバランタイン(スコッチ)の17年30年ものなどが眠っています。そこに一緒に収められていたのが、このシャンパン「ペリエ・ジュエ・ベル・エポック」1995年。

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<化粧箱も一緒にとってありました>
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多分2003年頃、ダンナが海外出張のお土産で買ってきたものです。残念ながら中身はもう飲んでしまっていますが、彼は新聞のカラー広告を見ながら一言「これとソックリじゃない」。

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アネモネの絵が豪華になってますが、よく似ていますね。こちらは2004年物です。ちなみにAmazonで探してみたら2002年物を取り扱ってましたので、参考まで。

ペリエ・ジュエ ベル・エポック [2002] /白/シャンパン/フランス/シャンパーニュ/並行/箱無しペリエ・ジュエ ベル・エポック [2002] /白/シャンパン/フランス/シャンパーニュ/並行/箱無し
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ペリエ・ジュエ

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とうの昔に飲んでしまったシャンパンの味のことは置いといて、今回はこのボトルに施されているアネモネのデザインをしたエミール・ガレとアールヌーボー周辺のお話なぞしたいと思います。

ダンナはエミール・ガレってダレや?的、アートとは無縁の人ですが、彼の目にもこのボトルは美しく写ったのでしょう。「こんな綺麗なの売ってたから」と嬉しそうに持ち帰ってきたのをよく覚えています。アールヌーボーをざっくり説明すれば、19世紀末から第一次世界大戦勃発前の1914年頃の潮流であった建築、美術、工芸、ファッション等のスタイルです。そして、その時代そのものは「ベルエポック」(フランス語で「良き時代」の意味)と呼ばれていました。以前19世紀末カルチャーの話題で触れた、オーブリー・ビアズリー、ウイリアム・モリスもアールヌーボーの中心にいましたし、ロンドンのリバティ商会、チャールズ・レニー・マッキントッシュのグラスゴー派から、ウィーン・セセッション(分離派)~プラハ・セセッション(ちなみにアルフォンス・ミュシャもこの時代を代表する画家)、ニューヨークのティファニー商会に至るまで、欧米の各都市に波及していきます。そんな中で、エミール・ガレはフランスの都市ナンシーを拠点に活躍し、ナンシー派と呼ばれました。主にガラス製品が有名で、日本にも愛好家は沢山いるのではないでしょうか。

ナンシー派の特徴として、また日本人に親しみやすい要因としてあげられるのが、日本画と工芸からの影響です。鳥獣や草花など自然が生んだ巧みな形体から多くを学んでいる事、そして実際にナンシーに留学していた日本人、高島北海との出会いがあったと。高島は日本の農商務省所属の技師で、ナンシーの森林高等学校で学んでいましたが、帰国後、南画家として名を成しました。確かにこのアネモネの絵をだけ見ても、左右非対称(アシンメトリー)の構図と、非遠近法的な平坦で線の伸びやかさを基調としたタッチは日本の絵と通じるものがある、と納得出来ます。

さて、アールヌーボーが生まれた背景にあるのは、やはり産業革命。19世紀半ばの「機械化によって生まれた空虚」を埋めるような役割を担っていたような気がします。モリスのアーツ・アンド・クラフツ運動は、物質的だけでなく、精神的にも豊かにしてくれるようなデザインを生活空間に持ち込む為に、卓越した技術を持った職人(クラフトマン)を組織し、手工業の合理化で機械製品に負けない作品を目指しました。

と言ったところで、昨日ちょっと触れましたが、私が近年の「ファスト・ファッション」を無味乾燥に感じてしまう理由が何となく分かってきた気がします。例え機械製品であっても、作り手の顔が見えてこないものの冷たさ、みたいなものを感じているのかもしれません。勿論、「服なんて着られりゃなんだっていい」というのも一つの生き方であり、私は否定しません。拘りは人それぞれですから。

ただ、これまでもちょこちょこと紹介してきた、パリオペラ座の衣装に採用された能登の繊維会社とか、有田焼の万年筆を企画した方の話とか、「もの作りへの思い入れ」が感じられる、作っている人の顔が見えている品の魅力を、私は追って行きたいなと思っているのです。

そんな訳で、最後は山形の佐藤繊維株式会社のお話を少々。オバマ大統領のミッシェル夫人が就任演説の際に着ていたニナリッチのニット。その素材となった極細のモヘア糸を作っている会社です。下の動画で印象的なのは、これまでの注文を受けてその通りにつくる下請け的立場から、逆にメーカー独自の企画開発し、能動的に提案・発信する側となることを目指したところ。最終的に自社ブランドの立ち上げに繋がっていきます。

<社長さんの金髪が極細モヘアみたいですが、、>


こういった日本の技が世界で評価されているのは、本当に嬉しい事ですね。勿論、私は高級ブランド服なぞ、全く無縁の生活ですし、編み物はしても高い毛糸は中々手が出ないですが、佐藤繊維ブランドのニットにはちょっとそそられるものがあります。興味のある方は下記のネット通販サイトを覗いてみて下さい。人気商品は直ぐに売り切れてしまうそうですけど。

Cross it off M.&Kyoko Shop Online


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タグ: フランス 東北

テーマ:アクセサリー・クラフト・工芸品 - ジャンル:学問・文化・芸術

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